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2006年04月22日

スピード違反取り締まりで弟の名前を名乗った男

 免停中に、スピード違反を繰り返し、免許不携帯と偽って、弟の名前を名乗った男の裁判です。

 どのぐらいの違反かというと、制限速度60km/hの自動車道を122km/h、制限速度50km/hの一般道を90km/hで走行しました。
 すごいスピード出してます。被告人の車は高級車かスポーツカーなのでしょうね。私には真似できません。マイカーにはエンジンついてないですから。

 愛知県には濃尾平野という広大な平野があります。場所によっては坂道がほとんどありません。そして、道幅が広く、舗装もキレイです。また、自動車産業が盛んなせいか、家に何台も自動車があります。一人一台持っている家も少なくありません。

 さらに、「名古屋走り」と呼ばれる、乱暴な運転も有名です。

 名古屋の危険な交通事情を列挙してみます。
・右折車線から直進する
・駐車場前に車が並んでいるところを先頭近くで横入りしようとする。
・歩行者や自転車が信号無視をする。

 交通死亡事故ワースト1になるのも仕方ありません。

 被告人は、そんな愛知県で、とんでもないスピード違反を繰り返しました。 よく事故に遭わなかったものです。

 しかし、そんな幸運は、いつまでも続きません。
 道路交通法違反だけでなく、弟さんの名前で調書を作らせた有印私文書偽造で、起訴されてしまったのです。


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。


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《スピード違反取り締まりで弟の名前を名乗った男》
【道路交通法違反】【有印私文書偽造】『新件』
4月○○日
名古屋地方裁判所705号法廷
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★登場人物★☆
Fさん(被告人。30代ぐらいの男性。髪をオールバックにがっちり固めている。長方形のメガネ。体格が良い)
Xさん(証人。30代ぐらいの男性。マンガ家の江川達也さん風)
弁護人(30〜40代ぐらいの男性。真ん中分け。メガネをかけている)
検察官(20〜30代ぐらいの男性。面長でやせ形。真ん中分け。メガネをかけている)
裁判官(40代ぐらいの男性。七三分けの清水省吾さん風)


[起訴状概要]
 ■■■自動車道の速度制限60km/hの区間を122km/hで走行した。その際、オービスで速度超過違反が判定され、車両を撮影された。
 ■■市内の速度制限50km/hの道路で90km/hで走行した。交通取り締まり車両内において、警察官から免許の提示を受けた際、以前の違反を隠すために、免許証不携帯のフリをして自己の氏名を偽り、弟の名前を名乗った。警察官に、自らを弟と錯誤させ、間違った調書を作らせた。


 この裁判では検察官が証拠をたくさん持ってきました。あまりの多さに、裁判官と事務官(?)が、確認に手間取ってました。
 以下、読み上げられた書証を元に、事件の背景などをまとめておきます。

 被告人のFさんは、両親が所有する賃貸物件に住んでいるという、とてもうらやましい方です。実家は地主なのでしょうか。
 しかし、その半生は、決して安定したものではなかったようです。
 高校中退後は、現在の仕事に就いており、勤務態度は真面目だったようです。
 しかし、以前にも、スピード違反を繰り返しており、免停中の違反だったため、ごまかしてしまったものと思われます。
 しかも、覚せい剤での前科があり、執行猶予中だったのだとか。

 3月にはメールで弟に、「名前を使った」ということを、報告しています。
 その後、家を訪ねて、「他にも交通違反がある。代わりに出頭してくれ」と、頼み込みます。しかし、さすがに断られて、ケンカになったそうです。

 とはいえ、弟さんは心配になり、「このままでは大変なことになると思ったが、母が心配していたこと、執行猶予中で心配だったこと」などから、身代わり出頭したそうです。
 しかし、検察官に見破られ、すぐに自白したそうです。


 もちろん、弁護人も証拠を持ってきました。全て原本だそうです。
・Fさんの反省文
・雇い主が雇用を継続して行うという上申書
・弟と母が注意監督を約束している上申書


 この時点で、残り時間は、わずか16分でした。
 大急ぎで証人尋問が始まります。Fさんの友人が、情状証人として、呼ばれます。

弁護人:「あなたと被告人はどんな関係ですか?」
Xさん:「友人です」
弁護人:「職場の友人ですか?」
Xさん:「プライベートも仕事もです。」
弁護人:「被告人とは何年ぐらい前からお知り合いですか?」
Xさん:「10年以上前です」
弁護人:「あなたから見て、被告人の性格は、どのようなものでしょうか?」
Xさん:「人が良いのと、押しが弱いところがありまして、騙されやすいです」
弁護人:「あなたが証人として出廷された経緯を教えて下さい」
Xさん:「彼が働いている■■社の社長から頼まれたからです。それに私も、弟のように、可愛がっていますから」
弁護人:「刑務所に行くかもしれませんが、社会復帰後、注意監督してもらえますか?」
Xさん:「はい、もちろんです」
弁護人:「立ち直りに協力してもらえますね?」
Xさん:「はい」
弁護人:「以上です」

 本当に大急ぎの証人尋問でした。Xさんは、友人や職場から、被告人が信頼されていることを証言しました。


 続いて、被告人質問です。まずは弁護人から。

弁護人:「前回執行猶予をもらったのに、再び法廷に立つのは、どういう気持ですか?」
Fさん:「情けない気持ちです」
弁護人:「自分の愚かさを考えたことありますか?」
Fさん:「△○×……(聞き取れず)」
弁護人:「実刑許してもらったのを軽く考えていたのですか?」
Fさん:「いいえ」
弁護人:「その場しのぎだったのですか?」
Fさん:「いいえ」
弁護人:「何回もスピード違反を繰り返してますよね?」
Fさん:「はい」
弁護人:「免停は何のためにあると思いますか?」
Fさん:「事故を起こさないため」
弁護人:「そうですよね。他の人が迷惑するからですよね?」
Fさん:「はい」
弁護人:「いつ事故を起こすか分からないドライバーがいると迷惑がかかるからじゃないんですか?」
Fさん:「はい」
弁護人:「■■■自動車道では、速度規制80km/hと、勘違いしていたんですよね?」
Fさん:「はい」
弁護人:「取り締まりにあった時、『マジ勘弁してくれ』と、言いましたか?」
Fさん:「『勘弁してくれ』とは言いました」
弁護人:「歳はいくつですか?」
Fさん:「3*です」
弁護人:「その年齢なら分かりそうなものですよね?」
Fさん:「はい」
弁護人:「そうやってうまくすり抜けて来たんじゃないですか?」
Fさん:「うまくこられたのが不思議…」
弁護人:「仕事は10年勤めてきたそうですが、間違いないですね?」
Fさん:「はい」
弁護人:「社長が、あなたを引き続き雇用すると約束すると、上申書を提出してくれましたけど、どう思いますか?」
Fさん:「本当に申し訳ないと思っています」
弁護人:「前に、覚せい剤で捕まった時も、社長が書面を書いてくれたんですよね」
Fさん:「はい」
弁護人:「社長に恥をかかせているようなものではないですか?」
Fさん:「はい、その通りです」
弁護人:「覚せい剤は使ってないですか?」
Fさん:「はい」
弁護人:「もう犯罪はしないと言っていたんじゃないですか?」
Fさん:「はい」
弁護人:「社会のルールを守る必要が分かりますか?」
Fさん:「分かります」
弁護人:「仕事の技能は持ってますか?」
Fさん:「(技術を3〜4つ挙げる)」
弁護人:「今住んでいる住居はどういうところですか?」
Fさん:「(住所を言う)」
弁護人:「それは分かりますけど、アパートか何かに住んでいるのですか?」
Fさん:「親が所有しているアパートに住んでいます」
弁護人:「両親は近くに住んでいるのですか?」
Fさん:「はい」
弁護人:「行き来はあるのですか?」
Fさん:「あります」
弁護人:「両親の様子はどうですか?」
Fさん:「母は店と家をやりくりしています。父は…、難病なんですけど……、パーキンソン病です」
弁護人:「お父様は、あなたが迷惑かけたけど、許すと言ってます」
Fさん:「迷惑かけたくない…」
弁護人:「友人のXさんが情状証人に来てくれましたね」
Fさん:「ありがたいです。頑張ります」
弁護人:「また、免許取ろうと思っているの?」
Fさん:「思ってます」
弁護人:「サラ金に借金がありますね?」
Fさん:「あります」
弁護人:「毎月返済してますか?」
Fさん:「今は勾留されてて返せません」
弁護人:「返すつもりですか?」
Fさん:「はい」
弁護人:「二度としませんか?」
Fさん:「はい」

 いくらなんでも、「マジ勘弁してくれ」は、マズかったですね。乱暴な言葉遣いは裁判で不利益かもしれません。
 サラ金に借金があったとは驚きです。両親は地主なんだから、サラ金よりも、たくさん貸してくれそうなのですが…。ご両親には迷惑をかけたくなかったのか、素行が悪くて貸してもらえなかったのか…。
 ところで、Fさんは、また免許取るつもりだそうです。私は、「マジ勘弁してくれ」って、思いました。だけど、お仕事で免許が必要かもしれませんから、仕方がないのかもしれないと、思い直しました。安全運転を身に付けてほしいです。

 続いて、検察官からの質問です。いきなり鋭い質問が飛びます。

検察官:「あなたね、制限速度80km/hと思ってたって、122km/hなら、40キロオーバーで違反でしょ?」
Fさん:「はい」
検察官:「標識出てたのに見てないんじゃないですか?」
Fさん:「はい」
検察官:「スピード守る意識ないんですか?」
Fさん:「○×△……(聞き取れず)」
検察官:「何で弟さんの名前を書いたのですか?」
Fさん:「執行猶予ということがありまして」
検察官:「執行猶予って、どういう期間ですか?」
Fさん:「刑を猶予される…」
検察官:「どういう意味なの?」
Fさん:「○×△……(聞き取れず)……魔が差して…」
検察官:「違反繰り返したでしょ? 魔が差したじゃないですよ」
Fさん:「はい…」

 こういう状態を「しどろもどろ」っていうのでしょうか?
 ちょっと気の毒になりました。
 検察官の質問は、少なかったものの、厳しく追及しましたね。
 被告人が「魔が差した」のは、有印私文書偽造のほうで、道路交通法違反ではないと感じました。スピード違反を軽く考えているのでしょうか。

 ところで、標識見てないとは、驚きというか、恐怖を感じます。標識だけを見てないのか、他の車や歩行者も見てないのか、想像すると胃が痛くなりそうです。想像しないように気を付けます。


◎検察官による論告求刑はおおむね以下の通りです
 制限速度60km/hのところを122km/h、50km/hのところを90km/hという、遙かに超過して走行しており、死亡事故の危険もあった。
 免停中にもかかわらず無免許状態で35.6km走行していた。
 急ぎの用事があったわけではなく緊急性はなかった。
 酌量の余地はない。
 速度違反の常習性がある。
 8回の違反、罰金2回ある。
 犯行は免停の1ヶ月後で速度法規の軽視は明かである。
 有印私文書偽造は、違反を繰り返していなければ行う必要はなく、自らの行状が招いた結果である。
 弟を利用した犯行は、一旦通れば、立証不可能である。
 計画的かつ悪質であった。
 模倣される危険が高く厳罰は不可欠である。
 懲役2年6月、偽造文書偽造部分没収が相当である。

◎弁護人による弁論は以下の通りです
 免許停止だったが免許取り消しよりはマシである。
 とっさに思い付いた出来心だった。
 すぐ発覚するような単純な犯行だった。
 詐欺と一体となるような文書偽造に比べれば軽い。
 二度としないと誓っている。反省文にも表れている。
 覚せい剤での執行猶予中だが別種の犯罪である。
 弟は宥恕の情を示している。母親、雇用主、友人のXが、更正の手助けを確約している。
 以上、情状の上、寛大な判決をお願いする。


 厳しい判決が予想されます。最終陳述で、Fさんは、何を述べるのでしょうか?

Fさん:「もう二度とそういう過ちは犯しません。迷惑かけません」

 Fさんとしては、周囲や社会に迷惑をかけたことを、悔いているようです。

 今回は、覚せい剤での執行猶予中だったこと、違反を繰り返していたこと、警察や検察を騙そうとしたことなどから、厳しい判決が予想されます。
 しかし、Fさんの周りには、実家を一人で切り盛りするお母様、難病のお父様、許してくれるという弟さん、引き続き雇ってくれるという社長、面倒見の良いご友人など、支えてくれる方々がいます。更正の可能性は低くないと信じたいです。
posted by 絶坊主 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 交通の事件(裁判傍聴記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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