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2006年07月06日

初老のホームレスが包丁を持って「やかましい!」 理由は消防団のポンプ車

 被告人は、公園に居住する60歳ぐらいの男性で、ホームレス仲間と共謀し、消防団員に対して、包丁を持って脅迫しました。その理由は、ポンプ車の「エンジンがうるさかった」から、です。

 どうやったらこんなにくだらない事件が起きるのでしょうか。よく警察が動いたものです。
 もちろん、実際に包丁で脅された被害者としては、その恐怖は大変なものだったでしょう。私としては、包丁を見せられたのであれば通報すべきだと思いますので、通報したことをどうこう言うつもりはありません。

 うまく言えませんが、あまりにもバカバカしい事件だと、わざわざ法律に則って裁判を行うことがもったいなく思えることがあります。こんな人を、拘束して、取り調べて、裁判して、そこまで手間をかけてどうするんだろうっていう。今回はその究極形です。


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
 登場人物のイニシャルは本名と無関係です。


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《初老のホームレスが包丁を持って「やかましい!」 理由は消防団のポンプ車》
【暴力行為等の処罰に関する法律違反】『新件』
6月29日
名古屋地方裁判所703号法廷
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☆★登場人物★☆
Eさん(被告人。60歳ぐらいの男性。小柄。緑のベスト。水色の長袖シャツ。青いスエット。白髪交じり。頭頂部が少し薄い)
弁護人(30代ぐらいの男性。細身。鼻筋が通っている)
検察官(30代ぐらいの男性。がっちり。メガネをかけている。生真面目そう。散髪してスッキリ)
裁判官(50代ぐらいの男性。阿藤快さん風)


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[公訴事実の概要]
 被告人Eは、Aと共謀の上、ポンプ車のエンジン音がうるさいことに腹を立て、都市高速高架下■■消防団において、包丁を示して、「やかましい! エンジン止めよ!」などと言って、脅迫したものである。


裁判官:「検察官が読み上げた起訴状に間違ったところはありましたか?」
Eさん:「本当です」

[事件の背景]
 被告人のEさんは、前科が2犯あり、事件当時は現場近くの■■公園内に居住していました。
 事件当日、■■公園近くの■■消防団が、点検のために、ポンプ車のエンジンをかけました。
 Eさんは、ポンプ車のエンジン音がうるさいことに腹を立て、Aさんと一緒に、消防団詰め所へ、文句を言いに行きました。
 Eさんらは、一旦戻って、「包丁で脅してやめさせるか」などと言って共謀し、99円ショップで購入した包丁2本を持って、再び詰め所へ行き、包丁を見せて脅迫しました。
 この包丁はAさん所有のものでした。


 何と言いますか…、本当にマヌケな事件で、「こんなことでも動いてくれる日本の警察って凄い」と思いました。裏金作りも、交通事故もみ消しも、許せるような気がしてきました。

 検察官は、起訴状の朗読と冒頭陳述で、早口でかみまくっていました。裁判官は、その度に、「検察官、■■の所は▲▲だね?」「弁護人、▲▲だそうです。ごめんなさいね」などと言って、フォローしていました。気のせいか、検察官をいびっているようにも見えました。

 ちなみに、証拠物として、犯行に使われた包丁が提示されました。
 1本目はごく普通の包丁で、2本目は穴がたくさん開けてあるタイプの……ごく普通の包丁でした。
 まあ、99円ショップの包丁ですから、たいして特徴はありませんでした。

 Eさんは、罪を認めていますし、身寄りもありませんので、被告人質問のみが行われます。まずは弁護人からです。

弁護人:「今回、犯行に至ったきっかけは、何でしたか?」
Eさん:「ちょっとエンジンがうるさかったので」
弁護人:「今までに、エンジン点検は、何回ありましたか?」
Eさん:「1回か2回ありました」
弁護人:「そのときにも包丁を持って脅しに行きましたか?」
Eさん:「ありません」
弁護人:「なぜ今回は包丁で脅したのですか?」
Eさん:「ちょっと一杯飲んでいたもんで」
弁護人:「過去に傷害事件を起こしていますが、このとき酒は飲んでいましたか?」
Eさん:「ちょっと、一杯程度は飲んでいました」
弁護人:「あなたが包丁を見せたときはフェンス越しでしたね?」
Eさん:「はい」
弁護人:「直接突きつける気はありましたか?」
Eさん:「ありません」
弁護人:「被害者に対してどう思っていますか?」
Eさん:「仕事に行って少しでも役に立ちたいと思います」
弁護人:「今後の生活はどうしていくつもりですか?」
Eさん:「場所を変えるか、日雇いの仕事に行きます」
弁護人:「日雇いの仕事は、週に何回ぐらい行ってますか?」
Eさん:「3〜4回です」
弁護人:「給料はいくらぐらいですか?」
Eさん:「8,000円ぐらいです」
弁護人:「その他に収入はありますか?」
Eさん:「別にありません」
弁護人:「先ほどね、酒を飲んで犯罪起こしてたようなことを言ってたけど、今後はどうやったら繰り返さないと思いますか?」
Eさん:「今後、アルコールは控えめにして、繰り返さないようにします」


 事件当時は酔っぱらっていたようです。午前11時ぐらいだったはずです。朝からビール飲んで酔っぱらってるとは…、うらやましい限りです。

 ところで、包丁はフェンス越しに見せただけでした。酔っぱらってフェンス越しに包丁を突きつけるなんて…。何も考えてなかったのでしょうね。ますますマヌケな事件です。

 続いて検察官からの質問です。

検察官:「包丁突きつけられた人の気持ち分かりますか?」
Eさん:「はい」
検察官:「あなたがされたらどう思いますか?」
Eさん:「はい。反省しております」
検察官:「酒を控えると言っていたけど、やめようとは思わないんですか?」
Eさん:「やめるっちゅうのはできないです」
検察官:「具体的にどのぐらい控えるつもりですか?」
Eさん:「ビールは5〜6本飲んでますが、ビール2〜3本にしようかと」
検察官:「もっと減らせない?」
Eさん:「ちょっとできません」
検察官:「お酒飲むなら飲むでいいんですけど、お酒飲んで、迷惑かけない方法はありませんか?」
Eさん:「カラオケが好きなもんでカラオケ行ってきます」
検察官:「それが酒を減らすこととどうつながるんですか?」
Eさん:「減らさないといけないと思います」
検察官:「シェルターって知ってますか?」
Eさん:「知ってます。名城のほう行ってました」


 検察官は、液晶テレビを値切るかのごとく、酒を減らすように説得するのでした。
 私は、“カラオケをすると酒量が減る” という理論について、詳しく知りたいと思いました。

 そうだ! “カラオケをするとタバコをやめられる” という本を書けば、大もうけできるかもしれないなあ。

 最後に裁判官からの質問です。

裁判官:「警察で、職業は『空き缶拾い』と、言ってたみたいだけど?」
Eさん:「それは、Aさんが空き缶拾いをしてて、私はそれを『手伝ってた』と言いました」
裁判官:「空き缶拾いを手伝って2,000円〜3,000円ぐらい収入があったんだって?」
Eさん:「はい」
裁判官:「そうだとすると、日雇いが1日8,000円ぐらいと言ってたから、あなたの収入は、かなりの収入になるよね? ホントに働いてたの?」
Eさん:「……………。」
裁判官:「それだけ収入があればホームレスしなくてもいいじゃない?」
Eさん:「仕事しないとダメだから」
裁判官:「ホントは仕事してなかったんじゃないのぉ?」
Eさん:「○△×……」
裁判官:「だけど仕事無いんでしょ?」
Eさん:「はい」
裁判官:「誰か面会には来てくれた?」
Eさん:「来ません」
裁判官:「ホームレス仲間は来てくれなかった?」
Eさん:「…………」
裁判官:「あ、そうか。ホームレス仲間はAさんしかいないのか。他に助けてくれる人はいないの?」
Eさん:「います。友達が」
裁判官:「あ、いるんだ。その友達は面会に来てくれた?」
Eさん:「来ません。教えてないから」
裁判官:「教えて来てもらえばいいじゃなーい」
Eさん:「はい」
裁判官:「あなたが立ち直るには何らかの手だてが必要だから。ホームレス生活するにしても、他人に迷惑かけないようにしなきゃね」
Eさん:「はい」


 とっても面白いやりとりでした。
 裁判官が確認したのは、仕事と収入、頼れる人がいるのか、の2点でした。ざっくばらんな口調が素敵でした。


 検察官は、「罰金20万円」、を求刑しました。

 証拠物として包丁まで出てきたのに罰金刑だとは……。
 罰金刑になったとしても、判決には、「訴訟費用は被告人に負担させない」、という一文が書かれるものと思われます。


 最後にEさんの最終陳述です。

裁判官:「最後に、裁判所に対して、何か言っておきたいことはありますか?」
Eさん:「ありません」


 Eさんはもう若くないですからね。日雇いの仕事が出来なくなる日も遠くないでしょうね。空き缶拾いも辛いでしょう。何とか生計を立てる手段を見つけてもらいたいものです。国民年金は払っているのでしょうか。少なくとも25年は払っていないと受給できないはずです。
 今後は厳しい人生になるかもしれません。

 ところで、Eさん達は公園を不法占拠しているのだから、近所の消防団がうるさいぐらいのことは、「お互い様」ということで、目をつぶってやれたらよかったのに。
 彼の年齢であれば、「とんとんとんからりんの隣組」、という歌を知っていると思います。エンジンがうるさいときに歌ってみてはいかがでしょうか。少しは怒りがおさまるかもしれません。
 お隣さんとは仲良くしないとね。

「隣組」(なつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡)
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/00_songs.html

 この歌は若い方でも歌えますよ。メロディーが「ドリフ大爆笑のテーマ」と同じですから。
 もちろん、「隣組」のほうが、先に作られました。


 判決は、7月13日(木)、10:25〜、名古屋地方裁判所703号法廷です。


◎今回分かったこと
・ポンプ車のエンジン音はうるさいみたいです。
・フェンス越しでも包丁を見せて脅したら罪になります。
・酒量はなかなか減らせません。
・どんなにマヌケな事件でも法律が適用されます。
・「教えて来てもらえばいいじゃなーい」

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 裁判員制度に向けて書かれた本です。重要判例についてイラストを交えて分かりやすく書かれています。これで死刑も冤罪も怖くないですね!
 個人的には広く読まれて欲しくない本です。なぜなら、私が裁判員に選ばれたら、「人を殺したんだから命で償え。死刑だ!」などと、感情的に力説する人を見たいからです。
 冗談はともかくですね…。
 この本では、重要な事件の判決が、淡々と解説されています。その判決が良いとか悪いとか一切触れられていません。ただし、違う意見があるという情報は書かれています。
 そういう意味では、一般の人でも簡単に判例が学べるという、非常に珍しい一冊になっています。
「みんなの裁判―マンガでわかる裁判員制度と重要判例60」 小林 剛(著)


本文で引用させて頂いたサイトのトップページはこちら

“なつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡” トップページ
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/warabe.html#top
posted by 絶坊主 at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 暴れた事件(裁判傍聴記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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