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2007年03月12日

小倉: 巻き寿司盗難事件 空腹に耐えきれず 市営住宅を退居させられた裏には何が…?

 被告人は、初老の男性で、スーパーマーケットから巻き寿司等を万引きした疑いで、窃盗の罪に問われています。
 彼は、事件直前、別の窃盗で執行猶予判決を受けていました。さらに、出所したものの、以前から家賃を滞納していたため、勾留中に市営住宅を退居させられていました。その後、どうにかやりくりしていたものの、就職活動の面接では家がないことを理由に断られ続けました。そして、空腹に耐えきれなくなって、犯行に及んだそうです。


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
 登場人物のイニシャルは本名と無関係です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《小倉: 巻き寿司盗難事件 空腹に耐えきれず 市営住宅を退居させられた裏には何が…?》
【窃盗】『新件』
福岡地方裁判所小倉支部202号法廷
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★登場人物★☆
Nさん(被告人。50代後半の男性。小柄でやせ形。短髪。メガネ。黒いジャージ)
弁護人(30代ぐらいの女性。ショートカット。上品で可愛らしい)
検察官(20〜30代ぐらいの男性。若くてさわやか。頼りがいのある杉村太蔵議員風)
裁判官(40〜50代ぐらいの男性。ジャーナリストの大谷昭宏さん風)
X(スーパーマーケット。犯行現場)

 法廷には、書記官なのか廷吏なのか、2人の若い女性がいました。一人は、ギャルっぽい派手な茶髪娘で、もう一人は濃いめのメイクでした。後者はエビちゃん風メイクって言うのでしょうか。私のノートには「ローリーみたいなメイク」と書いてありました。ローリーって…、私も歳をとったものです。
 それでは、かわいい女性達を横目で見ながら、起訴状朗読の始まりです。

[起訴状朗読より]
 公訴事実
 被告人は、平成18年○月○○日■■**:**頃、北九州市内のXにおいて、巻き寿司等販売価格373円を窃取したものである。
罪名及び罰条  窃盗 刑法235条


 罪状認否です。

裁判官:「今読んでもらった公訴事実に何か間違ったところはありましたか?」
Nさん:「いえ、ありません」

[冒頭陳述より]
 Nさんは、事件直前、窃盗の罪で、懲役1年6月執行猶予3年の判決を受けました。拘置所から釈放された後、職に就かず、金に困り、本件犯行に及びました。

[甲号証より]
・店長によってたまたま発見された(店長の供述調書か?)
・被害者は「厳重処罰」を求めている
・被害品は取り調べ後に還付されている
・Nさんの犯行当時の所持金は12円だった

[乙号証より]
・執行猶予判決後、仕事せず、金がなくなり、食べてなくて、本件犯行に及んだ
・前刑公判では「出所後はガードマンやマンション管理人の仕事に就きたい。再犯はしない」などと述べていた

[弁証より]
・被害者による嘆願書
・NPO法人北九州市ホームレス支援機構への電話聞き取り報告書
・被告人質問


 NPO法人北九州市ホームレス支援機構のホームページによりますと、この団体の活動は、物資や医療の提供、自立や就労の支援、ホームレス化を防ぐ社会への働きかけ、この三つの部門があるそうです。世の中には偉い人がいるものだと頭が下がります。

 ところで、被害者は、甲号証では「厳重処罰」を求めていますが、弁護人には嘆願書を預けています。検察官と弁護人は、被害感情に関しては、真っ向から対立した証拠を持っていることになります。店長の本音はどちらなのでしょうか。

 続いて、弁護人が請求した、被告人質問です。

弁護人:「Xでパンと巻き寿司を万引きしたことに間違いないですか?」
Nさん:「はい。間違いありません」
弁護人:「釈放されてからどんな物を食べて生活していましたか?」
Nさん:「最初の一週間ぐらいは食いつないで、最後の4〜5日は水だけ飲んでました」
弁護人:「万引きの理由は、空腹に耐えられなかった、ということですか?」
Nさん:「はい」
弁護人:「万引きは悪いことだと分かっていますか?」
Nさん:「はい」
弁護人:「それでもやってしまったのは何でですか?」
Nさん:「やっぱり空腹で耐えきれなかった」
弁護人:「万引きが見つかって、店長さんはどんな対応をされましたか?」
Nさん:「すぐ110番して、僕が理由を言ったら、『早く言ってくれたら』と言われて、タバコやらちくわやら恵んでくれました。あんな優しい態度で接してもらったのは初めてです。申し訳ない気持で一杯です」
弁護人:「(略: メモできませんでした。店長に言われた言葉か、嘆願書の内容に関する質問と思われます)」
Nさん:「『因果応報だから、これからは悪いことしないで生きれくれ』と。その通りだと思いました。あんな暖かい親切は生まれて初めてです。人に相談するとかして迷惑かけないようにしないといかんかった」
弁護人:「事件直前に市営住宅の家賃を滞納して追い出されたそうですね。荷物も処分されて姪御さんの連絡先が分からなくなってしまった。センターに入るように準備していたところだったと。(面会で?)ホームレス支援機構の職員さんとはどんな話をしましたか?」
Nさん:「償って出てきたら仕事をしようと」
弁護人:「あなたは、体調が良くないそうですが、どんな病気をお持ちですか?」
Nさん:「フルニエ症候群、それからリューマチです」
弁護人:「フルニエ症候群とはどういった病気ですか?」
Nさん:「肉が腐っていく病気です。定期的に検査すればおさまるそうです」
弁護人:「今は体にどこかつらいところはありますか?」
Nさん:「リューマチと、胃の痛みです」
弁護人:「働くことはできそうですか?」
Nさん:「限られると思いますが、強い意志を持って、頑張りたいです」
弁護人:「センターに入ったらどうやって暮らしますか?」
Nさん:「住むところがあったら頑張って仕事を探せると思います。前は家がないということで断られたけど、今度は住むところがあるから」
弁護人:「頼る人はいませんか?」
Nさん:「センターの人です。姪御の連絡先が分かりませんから」
弁護人:「刑務所に入りたいですか?」
Nさん:「いえ」
弁護人:「これからどうやって生きていきますか?」
Nさん:「自分の体と相談しながら、まだ60手前ですから、自分なりに頑張って働いていきたいです」


 Nさんによると、家賃滞納を理由に市営住宅を追い出され、金がなくてご飯にありつけず、空腹に耐えきれなくなって、犯行に及んだようです。社会復帰後は、健康に不安があるものの、頑張って働くつもりのようです。
 彼の話から想像すると、店長は、110番通報後に思い直し、食料を与えたようです。だとすると、店長は、いつ「厳重処罰」を望んだのでしょうか。
 この場合、警察官が到着し、すぐに店長の話を聞き、その内容を調書として残した可能性が高いと思います。店長はこの時に「厳重処罰」を望んだと考えられます。その後、Nさんが、警察官からの問いかけに応じて、ここ4〜5日は「水だけ飲んで」いたことを告白します。店長は、それを聞いたか、教えられて、同情したということになります。その後、起訴されて、弁護人からの連絡に応じ、嘆願書を書いたのでしょう。
 想像の域を出ませんが…。

 ところで、「センター」というのは、「ホームレス自立支援センター北九州」のようです。
 ホームレスに対し、宿泊及び食事の提供、健康診断、生活相談・指導等を行い、自立の意欲 を喚起させるとともに職業相談等を行うことによりホームレスの就労による自立を支援します。
定員:50人
利用期間:原則として6ヶ月以内
北九州市「ホームレス自立支援対策」
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/contents?CONTENTS_ID=7744
 北九州市はホームレスを減らすために頑張っているようです。頼もしいですね。

 フルニエ症候群は難しい病気のようです。詳しくはこちらを参照して下さい。
gooヘルスケア「壊疽性筋膜炎」
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10H21300.html

 続いて、検察官からの、反対質問です。

検察官:「あなたは『反省している』と言ってますね?」
Nさん:「はい」
検察官:「前にも万引きありましたね?」
Nさん:「はい」
検察官:「反省してたんじゃないんですか?」
Nさん:「はい、したんですけど□*○×&@…」
検察官:「したかどうかだけ答えればいいからっ!」
Nさん:「はい」
検察官:「で、したんですか?」
Nさん:「しました」
検察官:「お腹空いても万引きしたらダメだって分かってましたか?」
Nさん:「はい」
検察官:「じゃあ何で万引きしたんですか?」
Nさん:「お腹空いて我慢して□*○&@…」
検察官:「お腹空いたのは分かったけど、お腹空いてる人がみんな万引きするわけじゃないでしょ!」
Nさん:「はい」
検察官:「市営住宅に住めなくなったのはいつなんですか?」
Nさん:「*月末(事件の2〜3週間ぐらい前)ですかね?」
検察官:「前捕まって、その前は?」
Nさん:「住んでました」
検察官:「あなた、警察の調書に、『*月頃(事件の4ヵ月ぐらい前)には事実上追い出され』と、書いてあるのは、間違いなの?」
Nさん:「はい」
検察官:「家賃払わなかったんじゃないの?」
Nさん:「家賃払わなかった」
検察官:「遅かれ早かれ追い出されたんじゃない?」
Nさん:「はい、ですから□*○&@…」
検察官:「質問にだけ答えればいいから!」
Nさん:「はい」
検察官:「前回の法廷で、家を追い出されると、分かってなかったの?」
Nさん:「分かりません」
検察官:「家賃を払わなかったら追い出されると、思わなかったの?」
Nさん:「□*○#@△$×&@□*○#@△$×&@…」
検察官:「思ったか思ってなかったかだけ答えて下さい」
Nさん:「思わなかった」
検察官:「そういう風に甘い見通しでいるからこうなるんじゃないですか。もっと自分に厳しくしたほうがいいですよ」
Nさん:「はい」
検察官:「あなた、前回の裁判でガードマンだとかえらく具体的に仕事を述べてるけど、アテがあるの?」
Nさん:「やったことあるから」
検察官:「今後はどんな仕事を探すつもりなの?」
Nさん:「ガードマンとか、パチンコ屋の灰皿取りとか、あるんですよね」
検察官:「そりゃ知ってますけど、他には?」
Nさん:「弁当屋とか…(略: 職種をたくさん挙げる)」
検察官:「面接とか行ったんですか?」
Nさん:「はい、面接行きました」


 検察官は、すぐ話が逸れてしまうNさんに、とても腹を立てていました。

 もう一度、弁護人からの質問です。

弁護人:「自立支援施設に初めて相談したのはいつでしたか?」
Nさん:「(逮捕前から相談していたという旨)」


 裁判官からの補充質問です。

裁判官:「それなら、何で拘置所出た時にすぐ、相談に行かなかったの?」
Nさん:「向かう途中で腹が減って…」
裁判官:「*日(釈放の日)、家に帰ったら、住めなくなってたんでしょ?」
Nさん:「いきなり住めなくなってて、揉めていて…」
裁判官:「だから、その前に何で、相談行かなかったの?」
Nさん:「*日(釈放の3日後)にしました」
裁判官:「じゃあこう訊こう! なぜ*日(釈放の日)に相談しなかったの? *日(三日後)まで何していたの?」
Nさん:「家を空けてくれるかもしれないからです。電話したけど、『明日担当の人に』と、延ばされて」
裁判官:「だからどうして*(釈放の日)にすぐ相談しなかったの?」
Nさん:「荷物のことばっか頭がいって」


 裁判官は、Nさんの答えに納得がいかずに、同じことを何度も訊ねるのでした。かなりイライラした様子でした。


◎検察官による論告求刑はおおむね以下の通りです。
 前刑公判で、『ガードマン』などと具体的に言ったのに、自らの状況に対する甘い認識から、仕事に就けずに、金に困って、犯行に及んだものである。
 前科は、万引きが1、懲役前科1がある。
 拘置所を出てわずか11日で再犯に及んだ。規範意識の欠如は著しい。
 生活状況は劣悪である。再犯に及ぶ可能性は大きい。
 近年、万引き事犯は多発しており、社会問題にもなっていることから、一般予防のためにも厳罰が必要である。
 被告人の供述は、質問者によって一転二転しており、信用できない。反省は認められない。
 懲役1年6月が相当である。


 どうやら、Nさんは、取り調べ段階から、供述がおかしかったようです。検察官は、そういう経緯があり、Nさんが反省していないと感じて、あれだけ怒ったのかもしれません。
 Nさんは、今後、質問をよく聞いて理解し、落ち着いて簡潔に答えられるよう、訓練した方がよいと思います。ムダに相手を怒らせると損をします。

◎弁護人による弁論はおおむね以下の通りです。
 市営住宅を追い出され、仕事を探していたが、住所がなく、親族の住所も失っていた。
 ただ空腹だから盗んでしまっただけである。人の生死に関わる問題であり、同情の余地はある。
 被害品は還付されている。
 被害店舗の店長は同情している。嘆願書を書いてくれた。
 店長から優しく接してもらった。被告人は、『ここまで親切にしてもらったのは生まれて初めて』である旨を述べ、反省している。
 被告人は法令の知識がない。
 被告人には住居がないが、センターに入所の意思を表明すれば、審査を受けることができる。社会復帰後はセンターで暮らすため生活は安定する。
 体調万全ではないが、ガードマン等、立ち仕事でも可能である。センターの支援で仕事を探す意志がある。以前は住居がないことで採用を断られた。今後は、センターのお世話になるため、就労は可能である。従って再犯の恐れは低い。
 できるだけ寛大な判決を望む。


 弁護人としては、空腹に耐えきれず犯行に及んでしまったこと、社会復帰後はセンターのお世話になること、就労の意志があることなど、丁寧に情状を訴えました。
 私は、Nさんが、どうにかして姪御さんと再会できるよう、祈らずにはいられません。それから、定期的に病院へ行って、検査を受けて下さい。油断できない病気のようですから。

 Nさんの最終陳述です。

裁判官:「最後に、裁判所に対して、何か言っておきたいことはありますか?」
Nさん:「本当に申し訳ないことをしたという気持でいっぱいです」


 まず思い付くNさんの問題点は、家賃を払わなかったこと、です。
 彼は、家賃を滞納していたところ、前の万引きで勾留され、その間に市営住宅を追い出されてしまいました。
 たぶん、Nさんとしては、「突然捕まっちゃったから家賃はちょっと待って」と、考えていたのではないでしょうか。しかし、大家さん側からしてみれば、何ヶ月分も滞納している上に、連絡も取れないので、退居もやむを得ないと判断したのでしょう。
 Nさんにしてみれば、自由の利かない拘置所にいるのですから、連絡できなくて当然です。ところが、その間にも時間は経っていました。大家さん側はますます怒ったでしょう。これは、浦島太郎と言いますか、拘置所と社会における時間の流れ方の違い、なのかもしれません。単純に、Nさんがのんびりしていただけ、市営住宅だから追い出されないだろうとタカをくくっていた、とも考えられますが。

 そもそも、前の万引きは、金に困っての犯行だったのではないでしょうか。それならば、生活保護の申請に行くなど、万引き以外の方法を試すべきだったと思います。とはいえ、よくよく考えてみますと、「適正化!」(元々の目的は不正受給対策のようです)の疑惑がある北九州市ですから、なかなか難しい選択肢なのかもしれません。
 公判では、Nさんが経済苦に陥った元々の原因について、何も語られませんでした。フルニエ症候群で体調悪化して仕事ができなくなった、ぐらいしか思い付きません。


 ところで、Nさんは、市営住宅から、拘置所と刑務所(実刑判決だと仮定して)を経由して、ホームレス自立支援センターと移っていくようです。これらはどこの管轄なのでしょうか。今回は、Nさんの経済苦について踏み込めないので、こちらを調べてみます。

◎市営住宅
北九州市 建築都市局 住宅管理課
北九州市住宅供給公社(特別法人)

◎拘置所 刑務所
法務省 矯正局

◎ホームレス自立支援センター
保健福祉局 保護課

 Nさんは、建築都市局及び住宅供給公社の管轄である市営住宅を離れて、法務省矯正局の管轄である拘置所と刑務所を経由して、保健福祉局(実際にはNPO法人も関わっているようです)の管轄であるホームレス自立支援センターへと向かうことになるようです。
 どうやら、北九州市では、市営住宅の家賃を滞納した人には、一旦ホームレスになってもらって、その後に保健福祉局等の支援を受けさせるという方針のようです。

 市営住宅に関しては、北九州市建築都市局住宅管理課、特別法人の北九州市住宅供給公社、この二つが入居の窓口となっているようです。後者は、「地方住宅供給公社法(昭和40年法律第124号)に基づき…(略)…昭和40年12月21日に北九州市によって設立された、特別法人」(北九州市住宅供給公社のホームページより)であり「北九州市から、市営住宅33,107戸の維持管理業務と、市営住宅駐車施設14,222区画の管理業務を受託」しているそうです。
 面白そうなのでもうちょっと調べてみます。「平成9年度以降」は、「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき」国の補助を受けながら、「中堅者層を対象にした優良住宅」を、建設しているそうです。
 確かに、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律を見ると、そのような記述があります。
(建設に要する費用の補助)
第十二条
 地方公共団体は、認定事業者に対して、特定優良賃貸住宅の建設に要する費用の一部を補助することができる。
2 国は、地方公共団体が前項の規定により補助金を交付する場合には、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。
(特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律より)
 これは、民業圧迫として、抗議されなかったのでしょうか。郵政民営化であれだけ揉めたというのに…。
 具体的なお金の動きですが、記者発表資料の「平成17年2月市議会定例会について(当初予算)」によりますと、「優良賃貸住宅供給支援事業」という案が出されています。
○優良賃貸住宅供給支援事業
808,500 (建築都市局)
特定優良賃貸住宅及び高齢者向け優良賃貸住宅を供給する事業者に対し、建設費及び家賃減額補助を行い、入居対象階層に応じた、良好な居住環境を有する賃貸住宅の供給促進を図る。特に、特定優良賃貸住宅については、新婚世帯及び市外からの転入世帯に対し、家賃減額補助の優遇を行う。
(単位: 千円)
北九州市「平成17年2月市議会定例会について(当初予算)」
pdf: http://www.city.kitakyushu.jp/page/archive/press-release/H17.2/050216yosangian.pdf

 単位は千円ですから、808,500,000円ということになります。このお金が、建築都市局の予算となり、そこから北九州市住宅供給公社等の事業者に支払われるのでしょう。なお、事業者となるには、都道府県知事の認定が必要なのだそうです。

 具体的な補助に関しては以下を参照して下さい。なお、特定優良賃貸住宅の略称は、「とくゆうちん住宅」なのだそうです。「とくゆうちん」って、何ともダイナミックな…。
 北九州市「特定優良賃貸住宅とは?」
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/contents?CONTENTS_ID=6851

 北九州市としては、中堅者層向け高級賃貸マンションの供給が必要だ、と考えているようです。だけど、その一方で、Nさんは家賃を滞納し、万引きし、勾留されている間に退居させられました。ですから、中堅者層向けの高級マンションの供給を促進するために8億円以上も使う前に、低所得者に最低限雨風を凌げる場所を供給するほうが先だと思うのですが…。低所得者の家賃を減額補助するために8億円つけるわけにはいかないのでしょうか。そこまでしなくとも、ちょっとぐらいは、低所得者に回すことができないのでしょうか。
 たぶん、北九州市としては、低所得者には、家賃の補助をするよりも、一旦ホームレスになってもらって、ホームレス自立支援センターに送る方が、効率が良いと判断したものと考えられます。

 考えてみますと、Nさんが自分からホームレス支援機構に相談するとは限らないため、建築都市局か住宅供給公社が、アドバイスしたのかもしれません。そもそも、ホームレス支援機構の前に、生活保護の相談に行くようアドバイスしてほしいものですが…。そうすれば、家賃を回収できる上に、退居させる手間も省けます。でも、以前に生活保護の申請を断られた可能性も高いとは思います…。そうそう、生活保護の管轄も、ホームレス自立支援センターと同じで、保健福祉局保護課です。もしかして、保護課では、生活保護の申請書を渡さない代わりに、希望者をホームレス化させて、ホームレス自立支援で助ける、というシステムを作り上げているのでは…。
U 公共施設の適正な利用の確保
公園等公共の施設の管理者は、自立支援の施策との連携を図りつつ、ホームレスの人権に配慮し、施設の適正な利用の確保を図る。
→ 地域の状況(数が急増し地域とのあつれきが発生)を踏まえた施策。

公園等管理指導員の配置
ホームレスの自立支援事業と連携して、施設管理者に求められる施設の適正な利用の確保の視点から、巡視活動を行う専任の職員を配置
する。
北九州市「北九州市ホームレス自立支援実施計画(原案)の概要」
pdf: http://www.city.kitakyushu.jp/page/archive/press-release/H16.2/040212shienn.pdf
 もしかして、Nさんのように、市営住宅の家賃が払えなくなってホームレスとなり、公園等に寝泊まりするようになる。その後、公園の周辺住民(例えば中堅者層)からの苦情があり、公園管理指導員が動く…、などということがあるのかもしれません。そして、ホームレス支援機構を通じて、ホームレス自立支援センターへと送られる…。そして、また別の人が、経済苦に陥り、生活保護申請を断られて、公園に寝泊まりするようになる…。
 やはり、このようなシステムが出来上がっているのではないかと思えてきます。このシステムは、「不動産で再就職先を確保したい人々と、生活保護申請をさせたくない人々、ホームレスが目障りだと感じる人々の、利害が一致した結果…」というのは、さすがに考えすぎなのかもしれませんが。

 だいたい、生活保護法というのは、第一次ベビーブーム直後の、昭和25年に施行されたものです。当時は、まだまだ世の中が落ち着いていなかったようで、凶悪犯罪(殺人と強盗)の認知件数と検挙人数に関しては、ほぼ戦後最高(平成17年まで)です。もちろん、認知件数と検挙人数は捜査機関が仕事をした数であり、犯罪の発生状況を表しているわけではありません。それでも、今と比べれば、治安が悪かったと考えて差し支えないでしょう。これは、終戦が5年前で、世の中の混乱がありながらも、警察が力を発揮し始めた頃なのかもしれません。ですから、治安だけを考えてみても、生活保護法が施行された当時とは社会が変わっています。もしかしたら、生活保護という制度は、時代に合わなくなっているのかもしれません。
 そのため、生活保護ではなく、ホームレス自立支援センターができたのかもしれません。
 しかし、センターはすでにホームレスになってしまった方を支援するためのものであり、わざわざホームレス化させて送り込むのは二度手間だと考えられます。

 ですから、Nさんに限った話ではありますが、誠に僭越ながら、私が、生活保護に変わるセーフティーネットを、考えてみようと思います。

 検乙号証によりますと、Nさんは、前刑公判において、「ガードマンやマンション管理人の仕事に就きたい」などと、就労への意欲を語っていたそうです。
 そこで、彼の願いを聞き入れ、彼に関わった部署の協力が得られることを期待しつつ、2つの仕事を考えました。

1.特定優良賃貸住宅の管理人もしくは警備員(愛称:とくゆうちんポリス)
 要は、北九州住宅供給公社が平成9年以降に建てている、中堅者層向け高級賃貸マンションの敷地内で、警備や管理をしてもらう仕事です。
 個人事業主として契約してもらいます。これによって、労働基準法の縛りを受けなくなりますから、報酬を安く抑えることができます。なお、就職活動、拾ったアルミ缶の売却は、全て認めます。
 事務所兼住居は、特定優良賃貸住宅の敷地内に設けますが、経費をかけないために、スーパーマーケットから廃ダンボール材をもらってくるなどして、本人に設計及び建設を委託します。
 仕事の内容は、住民の顔と名前を覚えた上で見知らぬ人を見かけたら話しかける、雑草取りやゴミ拾い、それから、奥さんのお悩み相談などです。

2.公園等管理指導員(愛称:公園ポリス)
 こちらの仕事内容はすでに引用しました。さらに、体感治安に配慮し、利用者からの不審者情報を元に、その人物に話しかけ素性を明らかにして、利用者に安心してもらいます。
 個人事業主として契約してもらいます。これによって、労働基準法の縛りを受けなくなりますから、報酬を安く抑えることができます。なお、就職活動、拾ったアルミ缶の売却は、全て認めます。
 事務所兼住居は、公園の敷地内に設けますが、経費をかけないために、スーパーマーケットから廃ダンボール材をもらってくるなどして、本人に設計及び建設を委託します。


 経済苦に陥って、頼れる人もいない場合、金を渡す以外にも方法があると考えられます。また、Nさんのように、単純に金がないだけでなく、疾患等の別の問題があり、そのために就労が難しい場合もあるようです。ですから、その後の生活を安定させるために、金を渡す以外の方法も有効だろうと思うのです。
 理想を言えば、民間企業等での就労が望ましく、国や地方自治体が金を渡す必要がなくなるため、大変お得な解決方法だと考えられます。しかし、Nさんは「家がないということで断られた」などと、ホームレスが民間企業からは相手にされない旨を述べています。
 私は、できるだけお金のかからないように、さらに優良賃貸住宅供給支援事業の8億円を活用しつつ、Nさんのような人に飯を食わせる方法を考えました。民間企業へ就職できるチャンスもあります。さらに、住宅供給公社の予算を増やせるかもしれないので、公務員の再就職先を確保し続けることができます。とくゆうちん住宅が維持されますので中堅者層からの反発も防げます。なにより、さほど報酬が高くなく、ダンボールの事務所に住まなければならないので、不正を企てる人が少なくて済みます。

 もちろん、Nさんが家賃滞納や万引きをしたのは、明らかな迷惑行為です。しかし、いつも申し上げておりますが、こういう人が率先してきちんとした生活を送るとは、とうてい思えないのです。私は、彼らが「頑張って」などという決意する姿を、どうにも信用できません。ですから、彼らの頑張りに依存する方法は、立ち直るには不十分だと思うのです。

 結局のところ、いい加減な人や普通に生活できない人は助けてもらえず、その結果として彼らはホームレスになり、住所がないことから就労できなくなり、金に困って万引きして、刑務所に送られています。そして、彼らの中には、疾患によって就労が困難な人も少なくないのです。これでは、税金や刑務所の有効利用、つまりは損得勘定という観点から考えると、どうにも無駄が多いといわざるを得ません。

 もちろん、敷金礼金と保証人がいらない賃貸アパートが増えたり、ホームレスや貧困者を積極的に雇う職場が増えたりすれば、これらの問題は解決に向かうかもしれません。何でも役所に押しつければいいとは限りません。
 前者については、ホームレスや家賃が払えない方を、一般の家などで下宿させて、家主に6ヵ月間だけ3万円ぐらい国や市から補助を出して、6ヵ月を超えるか就職できたら本人に家賃を払わせる、というような方法もあるでしょう。

 そのために、私が、家主とホームレスを紹介して、面談を重ねて決めてもらうという、新たなビジネスを思い付きました。でも、儲かるかどうかは、国や市からの補助金次第となるような…。これじゃ、あくどい商売ですね。ダメだこりゃ。商才ないなあ。

※昭和25年の治安に関して、無料で閲覧できてかつ信頼性が高い、と考えられる資料として、「昭和35年版 犯罪白書」があります。興味を持たれた方は以下を参照して下さい。ただし、殺人や強盗として処理されたからといって、必ずしも凶悪犯罪であるとは限りません。今回はだいたいの目安として用いました。
法務省白書等データベース
http://hakusyo1.moj.go.jp/

◎今回分かったこと
・世の中にはホームレスを支援する奇特な方がおられます。
・世の中には万引き犯に同情して食料を与える親切な被害者がおられます。
・被害感情は、いつのものであるのか、が重要になります。
・急に逮捕されたとしても家賃の滞納は続きます。
・質問をよく聞いて簡潔に答えましょう。
・北九州市では、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づいて、中堅者層への優良な住宅の供給を促進するとして8億円以上使っているようです。
・北九州市保健福祉局保護課では、生活保護希望者を、ホームレス自立支援で助けているのかもしれません。
・「特定優良賃貸住宅」の略称は「とくゆうちん住宅」です。
・生活保護法が施行された昭和25年の治安は悪かったようです。
・金を渡せば問題解決するとは限らないようです。

参考文献:
NPO法人北九州市ホームレス支援機構
http://www.h3.dion.ne.jp/~ettou/npo
北九州市
http://www.city.kitakyushu.jp/
北九州市住宅供給公社
http://www.jkk-kitakyushu.jp/
gooヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/
法令データ提供システム
http://law.e-gov.go.jp/


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