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2007年08月11日

判決: パン盗が発覚してかみつき! やせ細ったおばあちゃんがどうして!?

 窃盗と傷害の罪に問われていたおばあちゃんに判決が言い渡されました。

 一つ前の記事の判決です。初公判の記事を先にお読み下さい。
http://chisai.seesaa.net/article/51032581.html

 裁判でのやりとりを細かく見ていくと、意外な背景が浮かび上がってきました。今後、彼女はどう生きていったらいいのか、考えてみました。


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
 登場人物のイニシャルは本名と無関係です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《判決: パン盗が発覚してかみつき! やせ細ったおばあちゃんがどうして!?》
【窃盗】【傷害】『判決』
名古屋地方裁判所706号法廷
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★登場人物★☆
Rさん(被告人。60代の女性。小柄でやせ細っている。岸田今日子さん風)
弁護人(30代ぐらいの男性。大柄でがっちり。あごひげ。体育会系。学生時代はラグビー部?)
検察官(40〜50代ぐらいの男性。頼りがいのあるインテリ二枚目。大和田伸也さん風)
裁判官(40代ぐらいの男性。長身でやせ形。優しい口調)


 被告人のRさん、細いはずの服がダボダボで、これほど極端にやせていたのかと驚きました。

※以下、判決言い渡しですので、記載がない部分は裁判官の発言です


主文 被告人を懲役2年に処す。この判決が確定してから3年間、刑の執行を猶予する。


 以下、理由を説明します。
 裁判所が認定した、罪となるべき事実は、起訴状記載の公訴事実の通りです。
 被告人は、
 1、平成19年*月*日、午後5:15頃、■■被害者方において、パン他1点(628円相当)を窃取し、
 2、被害者にかみつき、全治5日の両手背挫傷の、傷害を負わせたものである。

 以上の事実は公判廷取り調べの各証拠によって証明されたものと判断しました。その上で、相当法条を適用の上、主文の刑に決めました。

 他方、被告人には有利な事情が認められます。当初から罪を認めていたこと、1ヵ月半勾留されて反省したこと、示談金を支払っていること、夫が監督する旨を誓っていること、前歴はあるが前科はないことなどを考慮して、今回に限っては社会内での更生が可能であると判断し、執行猶予をつけました。

 執行猶予について説明しておきます。執行猶予が付きましたので、被告人は、今すぐに刑務所に入って、2年の懲役に服する必要はありません。しかし、釈放されるからといって、今回の罪が許されたわけではないです。執行猶予期間中に犯罪をしてしまうと、特に同じような犯罪をしてしまうと、今回の刑と、新たな犯罪の刑とをあわせて、長期間服役することになりますから注意して下さい。

分かりましたか?

Rさん:「……………………………(首をかしげる)」

(大きな声で)今日はいっぺんここで釈放します。
 家に帰すから、次やったら本当に刑務所に入るから!
 分かりましたか?

Rさん:「わかりました。申し訳ございません。もうしません…」

 色々、悩みました…。
 事件なんですけどね、人の物を盗むのはとっても悪いこと。ケガをさせたのもとっても悪いこと。被害者の被害感情が厳しいのもとっても分かる。
 執行猶予がついた判決の中では、2年というのは、重たい刑です。よく自覚してほしいです。

Rさん:「申し訳ございません。横道入ってすいません」

 ただまあ、執行猶予にしたのは、

 捕まって、拘置所に入って、反省したこと。
 被害者に示談金を支払ったこと。
 ご主人が監督する旨を証言してくれたこと。
 前科がないこと。
 
 これらの点を考えて、今回に限っては釈放するということにしました。

 もう絶対してはダメです。次やったら本当に大変なことになります。
 それと、盗みをしないのも大切だけど、あまりストレスを溜めすぎないようにするのも大切ですからね。
「被害者の方に申し訳ない」という気持ちを忘れないで下さい。

Rさん:「すいません、申し訳ございません、分かっております、もうしません…」

(略: 控訴の説明)

※判決言い渡しはここまでです


 Rさん、実際には、裁判官が何かを言うたびに「すいません」を、繰り返していました。そこまでメモできませんでしたし、忠実に再現したら読みづらくなってしまうので、だいたいの雰囲気が分かる程度に書いておきました。

 懲役2年執行猶予3年の判決ですが、ある傍聴マニアは「窃盗と傷害なら、ごく普通」と言い、別の傍聴マニアは「60代という年齢を考えると、からい」と言いました。
 どうなんでしょうね。私は量刑相場が分かりませんので何とも…。
 ただ、どちらの意見もうなずけます。罪に対しては不当ではないだろうけど、60代で執行猶予3年を過ごすのはつらいと思います。


 さて、Rさんは、判決の理由と執行猶予の説明をされても、さっぱり分かっていない様子でした。話が複雑で理解できなかったのでしょう。
 裁判官は、それを察知したのか、短い文章で分かりやすく説明していました。ファインプレーだと思います。

 話を戻しますと、私は、こういう姿を見て、やっぱりRさんは脳の機能に何らかの問題がある(初公判の記事を参照して下さい)と思いました。早く治療を受けさせてあげないと気の毒です。

 その意味からすると、「あまりストレスを溜めすぎないようにするのも大切」という裁判官の指摘は、大変鋭いと思います。


 では、Rさんがストレスを溜めすぎないように、どうしたらいいのでしょうか。
 Rさんが初めて万引きしたのは平成13年です。6年前です。

 ふと思い出したことがあります。証人尋問です。

裁判官:「心の問題だと思いますか?」
Xさん:「もしかしたら、最大の原因は、私だったかもしれません。一緒に頑張っていこうと思います」

 夫のXさんが「最大の原因は、私」とまで述べるのは、一体どういうわけなのでしょうか。

 そう言えば、Xさんは、妻のお金と時間を、非常に厳しく管理していました。

・妻が買った物とレシートを見比べて、一致するかどうかチェックしていた。
・朝12時、夜6時、門限を決めていた。

 前者は、お金と言うよりは、万引きしていないかのチェックですね。
 これは、される側にとっては、相当に辛いです。Rさんは、夫のささいな行動、例えば呼吸の変化、腕の筋肉の動き、視線のズレまでも気になって、針のむしろだったのではないでしょうか。
 門限もけっこう辛いです。午前と午後ですからね。外出時にも気を抜けません。

 買い物に行ったら時間が気になり、帰ったらレシートチェックで針のむしろ。これでストレスを溜めないのは、遠慮なく不満を言える人か、話を聞かない人か、よっぽどストレスに強い人です。

 ところで、平成13年はどうなのでしょうか。この年、アメリカでは同時多発テロ事件が発生し、小泉首相が靖国神社参拝し、大阪近鉄バッファローズが逆転サヨナラ満塁本塁打で劇的なリーグ優勝を遂げました。ちなみに、セ・リーグ優勝は、ヤクルトスワローズでした。

「2001年」( フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
http://ja.wikipedia.org/wiki/2001%E5%B9%B4

 傍聴マニア的にはDV防止法施行のほうが分かりやすいかもしれません。
 とはいえ、これらがRさんに影響を与えた可能性はほとんどないと思います。どのぐらい前なのかを思い出していただくために書きました。

 では、6年前に、Rさんには何があったのか?
 私には、Xさんが70歳ぐらいに見えます。正確な年齢は分かりませんが、大きく外れてはいないと思います。

70 − 6 = 64

 平成13年頃、定年退職したか、再就職先を辞めたか、もしくは早期優遇退職していたのではないでしょうか?
 退職すると、Xさんが家にいる時間が増えます。

 証拠もないのにこんなことを言うのは大変失礼ではありますが、もしかして、Rさんが精神不安定になったのは、Xさんが家にいる時間が増えたからではないでしょうか。
 Xさんは、それに気づいたからこそ、「最大の原因は、私」とまで述べたのではないか?
 そう考えるとつじつまが合います。


 では、夫のXさんがストレスの原因だったとすると、今後はどうしていったらいいのでしょうか?

(注意:ここからは、医療の知識のない私による、単なる素人考えです。疑いながらお読み下さい)
 もしかしたら、こちらのページが参考になるかもしれません。

「主人在宅ストレス症候群 その対策と解消法」 (黒川順夫の心療内科)
http://www1.odn.ne.jp/kurokawa/syujin-4.htm

 リンク先を見る限りでは、こういう方の場合、あまり夫婦一緒に行動しないほうがいいみたいです。
 そうなると、Xさんが提案した、

「私も通院していますので、一緒に行こうと思います」
「週2回限定で、私がついて、散歩もコースを設定して、一緒に行きます」

という監督方法では、直接万引きをさせない効果はあるものの、Rさんに大きなストレスを与えてしまう可能性が高いと考えられます。あまりにも副作用が大きすぎると思います。
 今後の生活で、夫とばかり顔を合わせていると、回復が遅れるのはもちろん、予後も悪くなってしまうのではないでしょうか。

 そうなると、同居しながらでは、治療、更生の両立はできないような気がします。かといって、長年連れ添ってきた夫婦ですから、いきなり離婚するのも辛いでしょう。

 これはあくまでも一つの選択肢ですが、Rさんの体調がかんばしくない場合、病院や福祉施設で生活する方法もあります。ひとまず、夫と距離をとって、療養に専念して、治療の効果を高めるのです。お店に行く必要もなくなります。

 体調が良くない間は、精神科医の診察を受けて、必要があれば精神科療養病棟に入院します。これは、治療の方針もあるでしょうから、じっくり話し合って下さい。自分たちの状況を恥ずかしがらずに説明するのはもちろん、医師から治療について納得いくまで説明を受けて下さい。
 いずれにしても、夫と距離をとれますし、お店に行くこともありません。何かあっても専門のスタッフがついています。家族も安心できます。

 ある程度体調が安定してきて、それでもしばらく離れて暮らしたほうが良い場合、精神障害者福祉ホームB型のような、福祉施設を利用するという手段があります。ただ、定員に限りがあると思うので、住居や身寄りのない方が優先され、好き勝手には利用できないかもしれません。
 もちろん、老人ホーム(特別養護老人ホーム等)への入所も、手段としては有効だと思います。ただし、事前に体調を申し出て、受け入れてもらえるかどうか確認する必要があるようです。
 実態はよく知りませんが、調べてみた限りでは、福祉施設の利用は簡単ではないような気がします。医師やケースワーカーらと相談して下さい。

 あとは、家で一緒に暮らすにしても、夫婦だけで抱え込まないで、訪問介護、訪問看護を利用して、負担を減らしたほうが良いと思います。
 また、デイケアに通えば、夫と距離をとれますし、リハビリにもなって一石二鳥です。新しい趣味や人間関係ができるかもしれません。
 ここまで来れば、ある程度の快復はしていると思います。それでも無理はしないで下さい。

「精神障害者福祉ホームB型」や「デイケア」については次のサイトが分かりやすかったです。

「精神障害者社会復帰施設の御紹介」(松蔭病院)
http://www.seiseikai.com/hpidx8a.htm

 私は、Rさんには十分な医療を受けてもらいたいですし、その権利を奪ってはいけないと思います。ですから絶対に再犯させてはいけません。
 その意味では、入院、訪問看護、デイケア等は、治療の効率が良くなり、犯罪する機会を減らし、夫と距離をとることができます。私としては、それが再犯防止のための、最も無難な方法だと思いました。

◎今回分かったこと
・体調の悪い被告人の場合、負担をかけすぎる監督方法は逆効果かもしれません。
・夫婦によってはあまり一緒に行動しないほうが良い場合もあるようです。
・病院や介護サービスを上手に利用して下さい。
・傍聴マニア同士で意見が分かれることがあります。
・裁判官も色々悩みます。
・全然関係なくて恐縮ですが、これは100件目の記事です。

参考文献:
「精神科臨床 ニューアプローチ6 老年期精神障害」(上島国利 監修、朝田隆 編集、メジカルビュー社 発行)
黒川順夫の心療内科 http://www1.odn.ne.jp/kurokawa/
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/
松陰病院 http://www.seiseikai.com/

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posted by 絶坊主 at 14:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 盗んだ事件(裁判傍聴記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
裁判傍聴について教えてください。

普段は平日仕事のため、傍聴することができませんでした。
そこで、8月13日の週が夏休みのため、傍聴に行こうと考えているのですが、お盆(13日、または14日)は裁判はほとんど行われないのでしょうか?(裁判所へ電話で問い合わせれば教えてもらえるのでしょうか?)
名古屋地方裁判所を考えています。
Posted by Ken at 2007年08月11日 23:37
Kenさん、コメントありがとうございます。

私が把握しているのは、8月14日の午前に、刑事裁判の判決が1件あることだけです。

電話で問い合わせると教えてもらえるはずです。
電話番号は裁判所のホームページに載っています。

http://www.courts.go.jp/

名古屋地裁等の電話番号はこちら(「裁判所」ホームページ内)
http://www.courts.go.jp/nagoya/about/syozai1/index.html

代表に電話して、いつどんな裁判を見たいのか、例えば「地裁の刑事裁判を傍聴したいのですが、今週はいつ行われますか?」というような感じで、訊ねると良いと思います。
親切に担当部署へつないでくれるはずです。

この時期は、法学部の学生さんはもちろん、中高生も多く、小法廷はすぐ満席になります。

それでも、しばらく待つと空くことがあります。

たいてい、午前は9:45頃から、午後は1:20頃から、どこかの法廷で始まります。早めに行って開くのを待っていれば席を確保できます。たぶん、黒いマントのような服(法衣)を着た方(書記官)が、開けてくれます。

この時期、1階の開廷予定表も混雑しますので、1階でだいだいの情報をチラ見して、詳しいことは法廷前で確認すると楽だと思います。同じ内容が貼りだしてあります。
Posted by 絶坊主 at 2007年08月12日 00:44
ありがとうございました。
教えていただきました通り、昨日、裁判所に電話確認し傍聴に行ってきました(電話での裁判所の対応は予想以上に親切でした)。

初めての傍聴で非常に緊張しましたが、良い勉強になりました。

ありがとうございました。
Posted by Ken at 2007年08月14日 11:28
Kenさん、こんにちは。

無事に傍聴されたようですね。安心しました。
確かに電話の対応は親切です。ありがたいです。私も、どうしても確認したいことがあって、2〜3回ほど電話したことがあります。

裁判は、ちょっと難しいところがありますが、勉強になることも多いと思います。世間で語られるイメージとは違う部分もあります。

私も緊張することがあります。初めて行く裁判所、法廷では、やっぱり緊張します。あと、ヤクザが被告人の裁判は、怖そうな傍聴人が多くて緊張します。

また、何かありましたら、コメント欄でも、メールでもかまいませんので、お寄せ下さい。たいしたお力にはなれませんが、知っている範囲でお答えできるかと思います。
Posted by 絶坊主 at 2007年08月14日 12:21
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