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2007年09月10日

裁判官が「失ったものは?」「得たものは?」 大麻所持の音楽家に

 被告人は、音楽家の男性で、自宅で大麻を所持していたとして、大麻取締法違反の罪に問われています。
 彼のために、遠くからご家族が駆けつけ、傍聴席で見守っておられました。


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
 登場人物のイニシャルは本名と無関係です。


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《裁判官が「失ったものは?」「得たものは?」 大麻所持の音楽家に》
【大麻取締法違反】『新件』
名古屋地方裁判所704号法廷
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☆★登場人物★☆
Bさん(被告人。30代ぐらいの男性。若い頃の渡辺謙さん風。長髪の男前)
弁護人(20〜30代ぐらいの女性。すらりとした色白美女。若い頃の大島さと子さん風)
検察官(20〜30代ぐらいの男性。Jリーグの選手風。ワイルドな男前)
裁判官(40代ぐらいの男性。ラーメン大好き小池さん風)
R(大手レコード会社)


 法廷にはオシャレな傍聴人が集まりました。10人弱ぐらいはおられたでしょうか。被告人Bさんのご家族や知人のようです。ご両親らしきご夫婦もおられます。彼を支援するために集まったのでしょう。
 Bさんは、身近な人々に、かなりの信頼があったのでしょう。

[起訴状朗読の概要]
公訴事実
被告人は、平成19年*月*日、■■■■■■■■■番地、被告人方において、大麻草0.897gを所持していたものである。
罪名及び罰条
大麻取締法違反 同法第24条の2 第1項


 大麻の取り扱いに関しては、大麻取締法によって定められています。刑法ではないそうです。
 幸運にも罰条をメモできたので、念のため、条文を調べてみました。

第二十四条の二
 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻取締法
(昭和二十三年七月十日法律第百二十四号)
最終改正年月日:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号


 何も書いてありませんが、「大麻を、みだりに、所持し…」という一行が、第1項なのでしょう。
 大麻の使用は定められていませんが、「みだりに所持」すると違法なのだそうです。甘いんだか厳しいんだか分かりづらいのですが、所持しないで使用することは困難ですし、所持しただけで懲役5年以下と考えると、厳しい罰が待っていることだけは確かなようです。

 ただし、「どうせ、持っているだけでも常習でも同じだ」などと考えて、常習的に大麻を使用してはいけません。それらの事情はキッチリ証拠として提出されます。裁判官は、証拠を取り調べて、判例をもとに量刑を決めます。不利な証拠が多ければ、それなりの判断がなされるはずです。

 もっとも、私が見てきた限りでは、ただ単に大麻草を所持していただけという裁判はありませんでした。微罪処分(刑事訴訟法246条)や起訴猶予処分(248条)になっているのかもしれません。
 いや、必ず甘い処分になると勘違いしないで下さい。私が見たことないだけですから。
 犯罪発覚後の流れについては、「平成16年版 犯罪白書」の「第2編 犯罪者の処遇」「第1章 処遇の概要」、「2-1-1図 刑事司法における犯罪者(成人)処遇の流れ」が分かりやすいと思います。

 で、そもそも大麻って何かというと、大麻取締法の第1条に書かれています。
第一条  この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

 第2条以降、大麻を取り扱ってもよい人について、詳しく定められています。じっくり読んでいくと「みだりに」に該当しない行為が見えてきます。興味のある方はこちらで検索して下さい。

「e-Gov 電子政府の総合窓口」 http://www.e-gov.go.jp/

 どうやら、我々一般人は、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」を所持していると、「みだりに、所持」に該当してしまうようです。

 猛暑に耐えきれず麻製のパジャマを買ってしまったというアナタ! 心配ですか?
 ご安心下さい。
 そのパジャマは大麻草の茎の繊維からできています。「大麻草の成熟した茎及びその製品」はこの法律では大麻とされていません。所持は禁止されていないのです。堂々と着て下さい。今夜は安心してゆっくり眠って下さいね。
 それから、種子も除外されていますので、食品に麻の種が入っていても、何ら問題ありません。おいしくお召し上がり下さい。

 私は、「大麻草の“そのスジ”の製品を持っていると五年以下の懲役」、という言い方が分かりやすいかと思います。法改正が待たれるところです(待たれません!)。


 では、大麻取締法を踏まえまして、公判に戻って、罪状認否です。

裁判官:「今読んでもらった公訴事実に何か間違ったところはありましたか?」
Bさん:「いえ」
裁判官:「検察官から即決裁判の申し立てがありましたが、あなたとしては『処罰されてもしかたがない』と、こう聞いていいですか?」
Bさん:「はい」
裁判官:「即決裁判手続に入ると、後から犯罪の事実について争うことができなくなるけど、よろしいですか?」
Bさん:「はい」


 裁判官は、被告人にしつこく確認をとった上で、即決裁判手続を決定しました。判決は、この審理の終了後、すぐに行われます。

 この手続は検察官からの申し立てで行われるようですね。検察官にとっては、有罪の立証が、楽勝な事件なのでしょう。
 一方の被告人にとっては、通常よりも早い公判期日を取ってもらえて、初公判の日に判決が言い渡される上に、懲役刑や禁固刑には必ず執行猶予が付くという利点があります。つまり、早く釈放されるわけです。
 検察側と弁護側(被告人)、双方の利害が一致した場合、この制度は素晴らしい威力を発揮します。

 ただし、証拠調べが不十分になるなど、批判があるのも事実なようです。確かに、即決裁判の時間は、たいてい30分ぐらいです。ギリギリの時間しか取ってもらえません。
 もし被告人になって即決裁判に同意する場合は、起訴状をよく読み、事前に証拠を見せてもらって、検察側の主張をよく把握して、身に覚えのない罪を被っていないか確認しておきましょう。公訴事実に誤りはないか、供述調書に言ってないことが書かれてないか、よーく確認しておいて下さい。
 その上で、「少々有利な事情が認められなくても、早く釈放してほしい」と考えるなら、即決裁判を了承しても良いと思います。

 詳しくは、刑事訴訟法第350条の2〜14まで、確認して下さい。ちょっと難しいですが、簡単に書かれている部分もあるので、大まかな理解はできるかと思います。

 色々と話がそれてすみません。
 では、公判に戻ります。検察官立証です。

[検察官立証]
【甲号証】
1.現行犯人逮捕手続書
2.被告人方の捜索差し押さえ(大麻草、袋、巻紙などが見つかった)
3〜5.大麻草
6.3〜5の鑑定書(大麻草である)
7.大麻草の形状を写真撮影した報告書

【乙号証】
1〜5.被告人による供述調書(犯行を認める内容)
 音楽家として活動していた。
 平成11年に初めて渡米した時、大麻草を知り、「よく音楽が聞こえる」、「作曲できる」という理由から、使うようになった。
 ■■■■■(繁華街)にてイラン人の売人から買った。

6.身上経歴照会回答書


[弁護人立証]
・被告人質問
・反省文
・友人らによる嘆願書
・贖罪寄付の領収書


 というわけで、弁護人が請求した、被告人質問です。
 裁判官は、被告人のBさんを呼んで、証言台の前のイスに座らせました。

弁護人:「あなたが大麻草を所持していたことは間違いないですか?」
Bさん:「間違いありません」
弁護人:「大麻草の購入ですが、暴力団から買ったわけではないですね?」
Bさん:「違います」
弁護人:「あなたは音楽家ですが、そういう世界だからと言ってはいけないかもしれませんが、暴力団との付き合いはないんですね?」
Bさん:「はい」
弁護人:「犯行当時、大麻についての認識は、禁止されているということだけだったんでしたね?」
Bさん:「法律で禁止されているのは分かっていましたが、覚せい剤と違って害があるとは思わなかったです」
弁護人:「あなたにはフランス留学したご家族がいますが、その方から『オランダには大麻を売っている店がある』、『アメリカの一部の州では合法』などと聞かされていて、そういう認識があったんですね?」
Bさん:「はい」
弁護人:「勾留されてる間、どうして日本で禁止されているのか、考えましたか?」
Bさん:「はい」
弁護人:「では、今は、大麻について、どのような認識ですか?」
Bさん:「大麻を吸うとハイになるというほかに、体に及ぼす影響があって、タバコのように発ガン性があって、法律で禁止されている良くない薬物だと思います」
弁護人:「あなたが買った値段は高額だったと思うんですが、その支払ったお金はどういった人達の利益になるのか知ってますか?」
Bさん:「外国人の売人や、暴力団や、海外組織の資金になっていると思います」
弁護人:「音楽家を続けてきたそうですけど、日本のコンテストで優勝して、アメリカの世界大会でも4位の成績をあげましたね。日本のコンテストには何人が参加したんですか?」
Bさん:「400人弱です」
弁護人:「アメリカの世界大会には、各国からの代表が参加していたのですね?」
Bさん:「はい」
弁護人:「何カ国ぐらい参加していたんですか?」
Bさん:「114カ国です」
弁護人:「成績を認められて、テレビや雑誌で取り上げられて、R(大手レコード会社)からCD発売されたそうですね」
Bさん:「はい」
弁護人:「Rは、あなたのアルバムのために、1千万円出資してくれたそうですが、やっぱり、誰にでも声かけてくれるわけじゃないですよね? あなたには実績があるからお金を出してもらえたんですね?」
Bさん:「はい」
弁護人:「事件後はRのホームページから削除されたそうですが、知ってましたか?」
Bさん:「ついこのあいだ知りました」
弁護人:「Rの人が『悪いイメージを懸念して削除した』と分かりますか?」
Bさん:「はい」
弁護人:「ただ、あなたとしては、音楽家を続けていきたいと考えているそうですね?」
Bさん:「続けていくつもりです」
弁護人:「今までと同じようにスポンサーの支援を受けるのは難しいと分かりますか?」
Bさん:「はい」
弁護人:「これからは、どんな風なことをしていきたいですか?」
Bさん:「今まで取り組んできたチャリティー、温暖化とか、ボランティアに参加していきたいです」
弁護人:「あなたは今まで、■■■■■■■■のイベントにボランティアで参加したり、地球温暖化防止を訴えるイベントをしたり、アクセサリーを企画して、それが一つ売れると木を植える団体に寄付が行くとか、そういうことを続けていくつもりなのですね?」
Bさん:「はい」


 ここで、裁判官が弁護人に注文をつけました。

裁判官:「弁護人ね、短時間にたくさん引き出したいという気持ちは分かりますけどね、ちょっと誘導が過ぎやしませんか?」
弁護人:「…」
裁判官:「被告人の言葉でしゃべってもらわないと」
弁護人:「………………………は…い……」
裁判官:「即決裁判で全部訊くのは難しいんじゃないですか? その書類4ページあるでしょ?」
弁護人:「いや、これは違います…。あと一項目だけで終わります」
裁判官:「あ、そう。では続けて下さい」


弁護人:「今後は、音楽家として、どのような活動をしていきますか?」
Bさん:「環境やエイズ問題など、気になるので、取り組んできたけど、迷惑かけた仕事の関係者やスポンサーに、そういう活動通して、信頼を取り戻していきたいです」
弁護人:「両親にはどんな迷惑をかけましたか?」
Bさん:「近所の方や親戚、両親の知り合いに対して………だったり、あと、名古屋までわざわざ来てもらって交通費使わせたり、迷惑かけたこと反省しております」
弁護人:「お母様が書かれた嘆願書はどうですか?」
Bさん:「本当は成人なので迷惑かけられないけど、こんなことで迷惑かけて、本当は孝行しなきゃいけないけど、迷惑かけて反省しています」
弁護人:「今後、あなたの周りで、大麻を持っている人がいたり、吸うように勧められたらどうしますか?」
Bさん:「断って、やめるように、止めようと思います」


 続いて検察官からの質問です。

検察官:「あなたが初めて使用したのは平成11年だけど、これはアメリカの音楽仲間から買ったの?」
Bさん:「買ったのではなくて勧められました」
検察官:「あなたの周りには大麻を使う人がいる?」
Bさん:「周りにはいません」
検察官:「音楽関係者には噂があったりしませんか?」
Bさん:「分からないです。いないとは言えないです」
検察官:「こういう言い方は失礼かもしれないけど、そういう世界には出回っているようだけど、拒否できる?」
Bさん:「できます」
検察官:「次やったらどうなるか分かりますか?」
Bさん:「刑務所に行きます」


 裁判官からの質問です。

裁判官:「あなたは、今回捕まって、何を失いましたか?」
Bさん:「仕事の関係者や周りの信頼、音楽家として築き上げてきたものだったり、Rのアーティストとして削除されたり、たくさんのものを失いました」
裁判官:「では、得たものは何ですか?」
Bさん:「大麻はいけないという知識です。本や話を聞いて、二度と来ないようにしたいと思いました」
裁判官:「あなたの話聞いてると、家族について全然触れられてないですけど?」
Bさん:「家族に対する信頼と、母がガン手術したばかりなのに来てくれたり…」
裁判官:「家族が本気で心配してくれているってのは、得たことの一つではないんですか?」
Bさん:「はい」
裁判官:「友人の嘆願書が来てるけど、これは仕事上の付き合い?」
Bさん:「はい」
裁判官:「学生時代から一緒とかじゃなくて?」
Bさん:「いいえ。仕事もプライベートも一緒の友人です」
裁判官:「贖罪寄付だけど、これはあなたのお金から出したの?」
Bさん:「親に立て替えてもらって出してもらいました」
裁判官:「すぐ返せるの?」
Bさん:「分割で返します」
裁判官:「分割しないとダメですか?」
Bさん:「色々生活費とか出費があるんで…」


 裁判官は、ご家族の援助に対する感謝が見えないと思ったのか、大変もどかしい様子でした。
 確かに、被告人質問では、「音楽家として有能」という主張ばかりが目立ちました。裁判官としては、傍聴席にご家族がおられますし、母の嘆願書を読んでいますので、確認せずにはいられなかったのでしょう。


◎検察官による論告求刑はおおむね以下の通りです。
 公判廷取り調べの各証拠を考慮し、相当法条を適用の上、被告人を、懲役6月、名古屋地方検察庁保管の大麻草3袋を没収、今回に限って執行猶予をつけるのが相当と思慮するものであります。


裁判官:「弁護人、弁論は要旨でいいかと思いますので」

◎弁護人による弁論はおおむね以下の通りです。
 大麻草の所持は微量で、入手経路は道すがらであり、暴力団との関係はありません。
 取り調べ当初から自らすすんで自白しております。前科はありません。
 Rのアーティストから削除されるなど社会的制裁が済んでおります。
 再犯は、依存性が高くないことから考えて、低いと考えられます。
 大麻に対する知識が身に付いたことから、規範意識がつきました。
 両親の監督が受けられます。
 ボランティアやチャリティーに貢献しております。
 二度としないと誓っており、その言葉は信頼できます。再犯はないと考えられます。


裁判官:「最後に、裁判所に対して、何か言っておきたいことはありますか?」
Bさん:「この度、大麻取締法違反で逮捕されて、迷惑かけた関係者や、警察、検察、裁判所や、皆さんの貴重なお時間とってしまい、ご迷惑おかけしたこと、深く反省しております。申し訳ございませんでした。二度とこのようなことしないで、音楽活動を頑張っていきたいと思います」


 数分後、判決が言い渡されました。特筆すべき点は見あたらなかったので、簡単に記しておきます。

裁判官:「主文 被告人を懲役6月に処す。その刑の執行を3年間猶予する。名古屋地方検察庁保管の大麻草3袋を没収する」
(以下略: 罪となるべき事実は公訴事実と同じである。執行猶予、控訴の説明など)

 判決は以上です。

 さて、本件に限らず、ミュージシャンによる大麻取締法違反は、たびたびニュースで目にします。音楽と大麻にはどういった関係があるのでしょうか。
※マリファナ=大麻

 特に音楽の場合には、楽曲の構造や表現方法、和音などの働きが理解できるようになるというのだ。このような音楽的芸術作品に対する洞察力や観察力の高まりに関しては多くのユーザーの間で意見が一致している。
(中略)
 また、一部の音楽家や演奏家はマリファナを使用することで演奏力が高まると信じており、20世紀初頭においてアメリカのジャズ・ミュージシャンたちの間でマリファナが流行したのはこのような考え方に拠るものであった。

「大麻大百科」(大麻研究会 著、データハウス 発行)


 すごいじゃないですか!
 私は、音楽が大好きで、特にジャズに興味があって、ピアノなんかを練習したことがあります。でも、難しくて難しくて、聴くのと弾くのでは大違いです。アドリブ演奏なんか夢のまた夢です。
 もし、大麻を使うことで、音楽への理解が高まり、さらに演奏力も上達するとしたら…?
 大麻の誘惑にかられてしまいます。


 では、大麻を使用すると、具体的にどうなるのでしょうか?

 まずは急性作用から見ていきます。
大麻の急性作用
循環器系 心拍数および血流量の増加
視覚器 結膜充血、瞳孔増大
精神、神経系 離人感、幻覚、錯覚錯誤、多幸感、不安、幻想、見当識障害、運動機能低下
その他 呼吸抑制、粘膜乾燥、偏執性、攻撃性、口渇、食欲増進

「薬物依存Q&A」(前田均 切池信夫 著、ミネルヴァ出版 発行)


 どうやら、心臓、精神などに、大きな影響を与えるようです。運動機能低下は気になります。事故のもとですので、大麻を使用したら、あまり動かないで下さい。自動車等の運転は控えましょう。

 とはいえ、難しい単語を並べただけでは分かりづらいので、体験談風の文章を探してみました。
 マリファナによってハイになることを覚えた時、初期の体験がかなり強烈であることがよくある。あらゆるものが奇妙な印象を与え、あらゆる知覚体験が新しく、興味深いものとなる。音楽聴くこと、食べること、愛し合うことにいつもより夢中させられる。時間は長く、引き延ばされたように感じる。時には、部屋が広がっていくのを見たり、自分の足がとてつもなく長くなったのを感じたりといった、奇妙な幻想を抱くこともある。

「チョコレートからヘロインまで」(A.ワイル/W.ローセン 著、第三書館 発行)


 これは分かりやすかったです。見るもの全てが刺激的に映るような感覚なのでしょう。音楽家が使用するのも納得できます。
 私は、鏡を見ると、自分の足がとてつもなく短くなったのを感じますが、大麻は使用しておりません。なぜだろう…?


 ところで、被告人のBさんは、「大麻を吸うとハイになるというほかに、体に及ぼす影響があって、タバコのように発ガン性があって、法律で禁止されている良くない薬物だと思います」と、大麻の危険性を述べていました。
 大麻の発ガン性とは一体どういうものなのでしょうか?

 マリファナ・ユーザーが1日に喫煙するマリファナのジョイントの数は平均3〜4本程度である。しかし、マリファナが肺に送り込むタールの量はタバコの4〜5倍にも達するので、毎日20本の紙タバコを喫煙しているのと同じことである。さらにマリファナ・ユーザーの多くはタバコ喫煙者でもあり、その発癌リスクは非常に高いといえる。

「大麻大百科」(大麻研究会 著、データハウス 発行)


 タールの量は 一日分の大麻=タバコ20本分 ですか!
 これは驚きました。大麻を使いたかったら、まずはタバコをやめて、酒はほどほどにして、食事の好き嫌いをなくし、紫外線を避けましょう。「どうも風邪が治らない」と思ったらガン検診を受けて下さい。

「大麻大百科」よりますと、発ガンの他にも、健康に対するリスクがいくつかあるそうです。以下、使用しない方がいい人について、本をもとに、まとめてみました。

・心臓疾患などのリスクを抱えている人
・マリファナに頼り切ってしまう人
・パニック状態になりやすい器質を持った人
・精神疾患を患っている人、もしくは以前に精神疾患を患ったことがある人
・未成年

 決してハードルは低くないですね。健康に対するリスクは少なくないです。該当する方もいらっしゃるでしょう。
 では、該当しなかった方のために、次のハードルを用意いたします。

 特に日本のように厳格にマリファナが禁止されている国においては、パートナーにマリファナの使用を認めてもらうことさえ非常に難しく、マリファナの使用がパートナーに発覚した場合、それが理由で結婚生活が崩壊するというケースも決して珍しいことではない。


 せっかく「愛し合うことにいつもより夢中させられる」(「チョコレートからヘロインまで」より)というのに、結婚生活そのものが崩壊してしまっては、何の意味もありません。

 やはり、自分が所属する集団(家族、地域、国家等)の規範や価値観に合わせて行動しないと、トラブルが起きてしまいます。それによって犯罪者という烙印を押されることにもなります。「規範」や「価値観」は、「正しさ」とは、必ずしも一致しません。いくら大麻が外国で合法だと言ってもムダです。
 理不尽に思うかもしれませんが、日本でスポンサーを探し、商売していきたいのであれば、日本の規範や価値観に合わせて行動する場面も出てきます。
 Bさんの場合、今の仕事で再び表舞台に立ちたいなら、もう二度と大麻に手を出してはいけません。


 ただ、大麻に関しては、Bさんが「法律で禁止されているのは分かっていましたが、覚せい剤と違って害があるとは思わなかったです」と述べるように、身体への悪影響が少ないという説もあります。

…1日あたりジョイント4〜5本程度に相当するマリファナを1年間にわたって毎日強制的に吸飲させられたサルの脳に異常はまったく見られなかった

「大麻大百科」(大麻研究会 著、データハウス 発行)


 この説が正しいかどうかはともかくとして、大麻を使用する自分を正当化するために、利用する人もいるでしょう。その場合、いくら周りの人がやめさせようとしても、本人は安全だと思い込んでいて、さほど健康への弊害も感じていないため、なかなか難しいかもしれません。

 ここからちょっと想像が入ります。
「安全というデータがあるし、オレは今まで通り元気だし、みんなひどい勘違いだ。何も分かってない。どうせ話してもムダだ」
 自分の大麻使用を正当化する人は、こんな風に思っているかもしれません。これでは感情的な対立になってしまいます。

 この状態は厄介です。もし、大麻を使っている人をやめさせようとして、このような状態で決裂したら、大麻のことをよく調べてから出直すと良いと思います。やめさせたいのは分かりますが、「大麻は危険」と「大麻は安全」というすれ違いがありますので、具体的にどう危険なのか、どう安全なのか、整理し直す必要があります。
 そのうえで、例えば「脳には安全かもしれないけど、発ガンのリスクが高いよ。それに、家族はみんな悲しんでいるし、仕事も失うし…」などという感じで、相手の言い分を頭ごなしに否定しないように、分かりやすく説得する必要があると思います。
 まあ、私はそういう経験がありませんので、うまくいくかどうか分かりませんけど…。

 あまりにも手に負えない場合は、大麻使用をやめた方や、薬物問題に応じてくれる病院、リハビリ施設などの助けを借りたほうがいいかもしれません。周囲の人々だけで解決できないこともあると思います。


 最後に、私が個人的に思ったことを記して、この記事を終わりたいと思います。
 被告人のBさんは、大麻の所持が発覚したことによって、
「仕事の関係者や周りの信頼、音楽家として築き上げてきたものだったり、Rのアーティストとして削除されたり、たくさんのものを失いました」
と述べています。
 しかし、世界4位の腕前は、稽古を再開すればすぐに戻ります。それに、ご家族は、本気で心配して下さっており、今までと変わらず応援してもらえそうです。
 私から見れば、失ったものは仕事上の信頼や契約だけで、挽回可能であり、大切なものは何一つ失っていないと思いました。
 もちろん、裁判官が指摘したように、ご家族への感謝を忘れてはいけませんが。

◎今回分かったこと
・大麻の取り扱いは「大麻取締法」で定められています。
・被告人は、即決裁判に同意すると、犯罪の事実について争うことができなくなりますが、釈放が早くなります。
・裁判官は「被告人の言葉」を聞きたいようです。
・法廷ではご家族への感謝の気持ちを表現しましょう。
・大麻は音楽家のあいだで人気があったそうです。現在の日本でも音楽関係者は疑われやすいみたいです。
・タールの量では、一日分の大麻=タバコ20本分、となり、発ガン性リスクが高いそうです。
・大麻は、心臓や精神に疾患のある方や、未成年者には、とても危険です。
・大麻の効果や害はともかく、日本で使用すると、信頼を失います。

参考文献:
「大麻大百科」(大麻研究会 著、データハウス 発行)
「薬物依存Q&A」(前田均 切池信夫 著、ミネルヴァ出版 発行)
「チョコレートからヘロインまで」(A.ワイル/W.ローセン 著、第三書館 発行)
「e-Gov 電子政府の総合窓口」(法令検索) http://www.e-gov.go.jp/
国立がんセンターホームページ http://www.ncc.go.jp/jp/
「アサ」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%BB
この記事へのコメント
「所持しないで使用する」には「廻し飲み」という手法があるようです。
かといって、大麻パーティーに参加すると共同所持が成立するみたいです。
http://33765910.at.webry.info/200712/article_14.html
ここからの受け売りですが。
Posted by munu at 2008年04月06日 15:18
munuさん、はじめまして。
貴重な情報ありがとうございます。

「廻し飲み」ですか。なるほど。

大麻パーティー共同所持説をとるなら、一緒に吸うつもりで集まった人は、みんなアウトですね。吸ってなかった人は「知らなかった」と言い張るしかなさそうです(通用しないかもしれませんが)。

人数が多くなるとバレる確率も上がります。検挙されなくても取り調べを受けなきゃいけないでしょうし。何とも難しいところです…。
Posted by 絶坊主 at 2008年04月06日 15:57
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