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2007年11月15日

幼い子を持つ母がなぜ!? 覚せい剤と余罪1,000件の車上狙い(1)

 被告人は、30〜40代ぐらいの女性で、共犯者と車上狙いをした窃盗と、覚せい剤の使用と所持の覚せい剤取締法違反に、それぞれ問われています。車上狙いの余罪は「1,000件ぐらい」あると述べています。
 彼女は複数のお子さんを持つ母親です。幼いお子さんもおられるようです。どうしてこれほどの罪を犯してしまったのでしょうか?


【注意事項】
 この記事は、私が裁判傍聴で必死こいて書き殴ったメモを元に、なんとか記憶を辿って書いたものです。もしかしたら、実際に裁判で起こったことと、全然違うかもしれません。
 また、私に法律の知識はありません。
 偏った思いこみや思想が文章に紛れ込んでいるかもしれません。極力避けるように努力します。ご了承下さい。
 この記事が事件の真実を言い当てることなどございません。
 無いとは思いますが、無断転載はご遠慮下さい。引用は法律を守ってご自由にどうぞ。
 リンクはご自由にどうぞ。ただし、画像等への直リンクはおやめ下さい。
 登場人物のイニシャルは本名と無関係です。


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《幼い子を持つ母がなぜ!? 覚せい剤と余罪1,000件の車上狙い(1)》
【覚せい剤取締法違反】【窃盗】『審理』
名古屋地方裁判所704号法廷
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☆★登場人物★☆
Nさん(30〜40代ぐらいの女性。茶髪。多少がっちりした体格。疲れ切ったような表情)
弁護人(40代ぐらいの女性。聡明&かっこいい)
検察官(30代ぐらいの男性)
裁判官(30代ぐらいの男性。三谷幸喜さん風)


 この日は弁護人立証から始まりました。すでに起訴状朗読や検察官立証は終わっているようです。

 後に分かった公訴事実は以下の通りです。
1.■■■■(共犯者)と共謀の上、■■■■(飲食店)駐車場において、バッグ(2,000円相当)を、車内から窃取した。
2.■■■■(薬局)の駐車場において、カバン1点、印鑑1点(計1,500円相当)を、車内から窃取した。
3.■■■■(パチンコ店)の駐車場において、(筆者註: 被害品メモできませんでした)(43万1千円相当)を、車内から窃取した。
4.■■■■(レンタルビデオ店)の駐車場において、現金8,000円とカバン(15万円相当)を、車内より窃取した。
5.覚せい剤を使用、所持した。

 起訴されている事件だけでも大変な被害を出しています。


[弁護人立証]
・被告人の父親による陳述書
「少しでも早く被害者に弁償する……(中略)……Nを監督することを誓います」
・被告人が書いた被害者宛ての謝罪文(深く反省している旨)
・被害者による嘆願書
「寛大な処分を求める」「5,000円を受領。寛大な処分を求めます」
・被告人による感謝の手紙(宛先はメモできず)
・父親に対しての謝罪文
・被告人が拘置所で毎日書いていたものから抜粋
「○月×日。反省して償いしていますが、子どものところへ戻ったら、まず職を探し、しっかり生活していきたい」
「■■■■(共犯者)とは二度と付き合いしないと誓う」
「被害者には大変申し訳ない。仕事は職種を問わず何でもやっていきたい」


 書証を確認した裁判官から質問がありました。

裁判官:「嘆願書を書いていただいた方のほか、被害者は3名いらっしゃいますが、弁償はしたんですか?」
弁護人:「しておりません」
裁判官:「これからする予定ですか?」
弁護人:「はい、そのつもりです」


 弁護人請求の被告人質問です。

弁護人:「平成**年に覚せい剤で捕まってから、しばらくやめていたそうですが、なぜまた今回使ってしまったのですか?」
Nさん:「嫌なことあったり、嫌気がさして、イライラしたことあって使いました」
弁護人:「他の人と使ったんですか?」
Nさん:「(うなずく)」
弁護人:「なぜやめようと思わなかったんですか?」
Nさん:「やめようと思ったけど、やめられずにズルズルと」
弁護人:「何にイライラしてたんですか?」
Nさん:「自分できちんとしてなくて、フラフラ遊んで、自分に対してイライラしてました。自分が思うようにできないので」
弁護人:「子どものことで悩んでなかったですか?」
Nさん:「イジメとかありましたけど、自分のことでイライラしていて、それで覚せい剤を使いました」
弁護人:「今後はイライラしたらどうするつもりですか?」
Nさん:「きちんと仕事して、子どもと遊んだりして気をまぎらわして、薬とかに頼らないようにします」
弁護人:「具体的には、覚せい剤をやめるために、何をしますか?」
Nさん:「周りと付き合いをやめることと、仕事をすることです」
弁護人:「二度と使わないと誓いますか?」
Nさん:「誓います」
弁護人:「どうしてそう言えるんですか?」
Nさん:「子どもにも辛い思いをさせたくない(泣)、自分もこんな思いしたくない…」
弁護人:「なぜ車上狙いをしたんですか?」
Nさん:「友達もお金に困ってて、自分も苦しい生活で、話が合って」
弁護人:「誘われたんですか?」
Nさん:「私が子供を産んだ時期に助けてもらった友達で、その友達が困ってたので」
弁護人:「あなたは、最初は運転手だけという話でしたね?」
Nさん:「最初は運転手だけだったけど、ズルズル色々と犯罪やってしまいました」
弁護人:「お金に困った時、仕事をすることを考えませんでしたか?」
Nさん:「薬やってたことで、面接とか行けずに、思うようにならずに」
弁護人:「覚せい剤をやめれば良かったんじゃないですか?」
Nさん:「みんなで使ってて、自分だけやめると、警察に捕まる心配あったし、年上だから抜けられなかった」
弁護人:「被害弁償をするつもりはありますか?」
Nさん:「社会復帰できたら、仕事一所懸命して、返していきます」
弁護人:「■■■■(被害者の1人)さんには40万円もあるけど、ちゃんとお金を返すんですか?」
Nさん:「自分も生活あるので、すぐにはできないけど、少しずつ返していきたいです」
弁護人:「今現在、被害者に対してどういう気持ちですか?」
Nさん:「大事な車のガラスを割ったり、大事な物を壊したり、悪いことをしたと思っています」
弁護人:「自分が被害者ならどうですか?」
Nさん:「本当に嫌な気持ちだと思います」
弁護人:「社会復帰後はどんな仕事をしますか?」
Nさん:「何でも自分にできる仕事があったらしていきたいです」
弁護人:「自信は?」
Nさん:「あります」
弁護人:「どうしてそう言えるんですか?」
Nさん:「もうこんな思いしたくないからです」
弁護人:「子どものことをどう思っていますか?」
Nさん:「自分が捕まって、精神不安定と聞いているので、本当に悪いことをしたと思っています」
弁護人:「一度自分の手から離れたら、気持ちが薄れちゃいませんか?」
Nさん:「一生忘れません」
弁護人:「今後、共犯者との関係は、どうしていきますか?」
Nさん:「もう絶対付き合いません」
弁護人:「向こうから接触してきたらどうしますか?」
Nさん:「引っ越して分からないところへ行きますから」
弁護人:「今から振り返って、自分のやったことを、どう思いますか?」
Nさん:「バカなことしたなと思います」
弁護人:「二度としないと誓いますか?」
Nさん:「はい」


 Nさんは、犯行に至った経緯として、

窃盗: お金に困っていたときに共犯者から誘われた。
覚せい剤: イライラしていた。みんなが使っていたので年長者として抜けられなかった。

と述べました。自分の生活状況と交友関係が悪かった、という主張です。

 高額な被害を受けた被害者に対しては、弁償が済んでいないようです。被害者はあまりにも気の毒です。

 とはいえ、被害弁償は大変そうですね。今は、心から反省しているように見えますが、これがいつまでも続くとは限りません。日々の煩雑な生活の中で、苦しい家計の中から分割で支払うわけです。弁償が負担となって再び犯罪に手を染めることのないよう、返済と生活費に関して、よく計画を立てて下さい。

 では、検察官からの、反対質問です。

検察官:「取り調べの時、今回起訴された4件以外に、あなた自身は、どれぐらいやったと言いましたか?」
Nさん:「1,000件ぐらいです」
検察官:「1,000台ぐらいと数えてはないですか?」
Nさん:「はい」
検察官:「その1,000件の被害者の中には、あなたのような人もいるかもしれませんよ。子どものいる人もいるかもしれないし、仕事の書類がなくなった人もいるかもしれない」
Nさん:「はい」
検察官:「平成**年に捕まった時、『環境変えないとダメ』と、言われませんでしたか?」
Nさん:「言われました」
検察官:「環境変えるために努力はしたんですか?」
Nさん:「しました」
検察官:「挫折したんですか?」
Nさん:「はい」
検察官:「刑務所に行くという方法もあるんですよ」
Nさん:「………」
検察官:「前の裁判の時、『次やったら刑務所に行く』と、聞いてませんでしたか?」
Nさん:「聞いてます」
検察官:「今回は、前と同じ覚せい剤のほかに、車上狙いもやっていると、分かりますか?」
Nさん:「はい」


 検察官は、「(被害者の中には)子どものいる人もいるかもしれない」と、被害者の気持ちを考えるように諭しました。これは重要なことだと思います。追い詰められると他人のことまで考えられなくなりますから。自分に置き換えるというのは、その第一歩です。第二歩目は、自分が嫌ではないことを嫌だと思う人もいる、と気付くことです。

 それにしても、余罪1,000件というのは驚きです。よくそんなに繰り返したものだと感心します。何考えてたんでしょうか!?
 そのあたりは裁判官が鋭く問い詰めています。補充質問をどうぞ。

裁判官:「お父様の体調が悪いそうですが、差し支えなければどんな病気か教えてもらえますか?」
Nさん:「心臓と肺ですかね」
裁判官:「外出もできない状態ですか?」
Nさん:「足のほうも悪いので」

弁護人:「私ともお会いした時、足を引きずられてました」

裁判官:「お子さんはご両親のところにいるんですか?」
Nさん:「はい」

(略)

裁判官:「被害弁償するお金はないんですか?」
Nさん:「ないです」
裁判官:「■■■■さんと■■■■(被害者)のお金はどうしたんですか?」
Nさん:「父が貸してくれました」
裁判官:「他に40万円ほどありますが、用意できないですか?」
Nさん:「もう父を頼れないです」
裁判官:「今回の事件ね、一言で言えば、子ども*人いる人がやるような犯罪ではない。どんな生活してたんですか?」
Nさん:「家族に気付かれないようにやってた」
裁判官:「全部環境が悪いんですか?」
Nさん:「…………あぁー(何かに気付いたように)」
裁判官:「端的に言うと、あなたに母親としての自覚が足りないんじゃないですか?」
Nさん:「…あぁー」
裁判官:「ちゃんと子どものことを考えて生活してましたか?」
Nさん:「子どもには気付かれないように思ってはいたんですけど、結局捕まって子どもに寂しい思いさせてしまって…(号泣)」


 裁判官は、母親としての無責任さを追及し、ついにはNさんを泣かせてしまいました。
 Nさんは、弁護人からの質問で、犯行に至ったのは、貧乏、イライラ、交友関係だと述べていました。
 裁判官による厳しい追及は当然だと思います。

 彼女の言うことは、美しい覚悟の言葉にも聞こえます。
「子どもにも辛い思いをさせたくない(泣)、自分もこんな思いしたくない…」

 その一方で、母親にしては幼稚に思える発言もありました。
「きちんと仕事して、子どもと遊んだりして気をまぎらわして、薬とかに頼らないようにします」

 親が自分のイライラを解消するために、子どもと遊ぶんですか? 子どものイライラを解消するために、親が遊んでやるなら分かりますけどね。深刻なイライラによって子育てをする余裕がないのかもしれません。もしくは、そもそも母親に向いていないのかもしれません。

 それと、今後について語りましたが、ハッキリ言って実行できるメドがないんです。
「自分も生活あるので、すぐにはできないけど、少しずつ返していきたいです」
「何でも自分にできる仕事があったらしていきたいです」
「引っ越して分からないところへ行きますから」

 多額の被害弁償は難しそうです。社会復帰後に働く意志はありますが、資格もコネもなさそうです。前科は隠せるかもしれませんが、子どもを抱え、イライラや自己嫌悪と戦いながら、決して良くないであろう待遇の中で、働くことができるのでしょうか? ましてや、引っ越しするお金を捻出することなど不可能でしょう。
 美しい言葉を並べるだけでなく、具体的にどうすればいいのか、どうにかしてメドをつける必要があります。

 Nさんの言動を見ていると、どうやって子どものために頑張っていくのか、その計画が全く見えません。犯行時にも、被害者がどれだけ困るのか、これだけの犯罪をしたらどういう罰が待ち受けているか、想像できなかったようです。
 彼女は、目の前にいない人や、差し迫っていない出来事に対して、配慮することが苦手なのかもしれません。


◎検察官による論告求刑はおおむね以下の通りです。
 窃盗について。
 犯行は計画的で悪質である。
 犯行は日常的に多数回行われており、常習性は明らか。
 被害品は、実行犯と山分けし、一部を持って帰っている。
 被害金額は分かっているだけで78万円。未発見も多い。
 弁償は、5,000円と1,500円のみ。他はなされていない。アテもない。厳罰希望は当然である。

 覚せい剤取締法違反について。
 安易な動機で仲間と使用した。依存性親和性が認められる。
 使用は多数回に及んでおり、再犯の可能性は大きい。

 情状一般について。
 子どもがいるのに覚せい剤を使用した。仲間と窃盗を繰り返した。
 もはや自力での更生は不可能である。
 車上狙いは愛知県内で多発しており、一般予防の見地からも厳罰が必要である。
 相当法条を適用の上、被告人を、懲役3年6月、名古屋地方検察庁保管の覚せい剤一袋を没収が相当であると思慮するものである。


◎弁護人による弁論はおおむね以下の通りです。
 覚せい剤について。
 被告人は、捜索を受けた際、覚せい剤を自ら提出している。
 4月以上拘束されて、反省している。二度と使用しない、友達とも関わらないと、誓っている。

 窃盗について。
 以前共犯者から助けてもらったことに恩義を感じ、運転を引き受けた。その後、実行犯に手を染めてしまった。
 自らすすんで全て自白した。
 ほぼ毎日手紙やノートに反省の気持ちを記載した。
 被害弁償は■■■■と■■■■には行われた。
 父親は年金生活で負担かけたくないと考え、自ら稼いだ金で弁償する決意をしている。
 被害弁償が行われた被害者は嘆願書を書いている。

 情状一般について。
 子どもは両親の元で暮らしている。一番下の子は、夜中に急に泣き出すなど、不安定になっている。
 母親不在は発達にも支障が出る。
 両親も身体が悪い。
 窃盗の前科はない。実刑はない。
 寛大な判決を願う。


裁判官:「最後に、裁判所に対して、何か言っておきたいことはありますか?」
Nさん:「被害者の方たちには、本当に悪いことをしたと思っています。社会復帰できたなら、働いて返していきたいと思います」

 Nさんは、最終陳述で、再び被害弁償を誓いました。


 被告人質問で気になった部分があります。
 Nさんは、「嫌なことあったり、嫌気がさして、イライラしたことあって使いました」と述べています。イライラの理由については、「自分できちんとしてなくて、フラフラ遊んで、自分に対してイライラしてました。自分が思うようにできないので」と、自ら分析しています。

 まとめますと、Nさんが覚せい剤を使用するに至った状況は、

1.日常的にイライラがあった
2.自己嫌悪に陥っていた
3.自己嫌悪の理由は、「自分の生活能力の低さ」であった

ということだろうと推察されます。

 1と2からは、何らかの精神疾患を連想しますが、さすがに私には特定できません。
 ちなみに、「心の病気がわかる本」(小俣和一朗 監修、池田書店 発行)によると、
「イライラ感」に関連する病気として、うつ病、躁うつ病、統合失調症、アルコール症、薬物依存症、
が挙げられています。
「自信喪失」に関連する病気としては、うつ病、躁うつ病、統合失調症、アルコール症、人格障害、
が挙げられています(自己嫌悪という項目はありませんでした)。

 もちろん、イライラや自信喪失は、精神疾患でなくとも起こりますので、それをもって病気であるとは限りません。また、覚せい剤を使用していたので、その影響もあるのかもしれません。イライラが先か覚せい剤が先か、本人の記憶が正しいとは限りません。現在の心境と当時の心境がごっちゃになっているかもしれません。

 仮に、何らかの精神疾患であれば、医師が処方する安全なお薬によって、イライラや自信喪失を抑えることができます。例えばうつ病の場合、神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンを活性させる薬が、効果を上げているそうです。

 精神疾患に関しては、よく弁護人が「社会復帰後はカウンセリングなんかを受けたら?」などと、被告人に勧めることがあります。また、法廷前の長椅子で、被告人の関係者と思われる方が、うつ病とみられる被告人について、薬物投与が有効か、気分転換が有効か、激しい議論を交わしていることがあります。これらは、精神科および精神疾患に対する誤解が、たくさんあることを示しています。この誤解がなくなることはないでしょう。
 誤解を恐れずに過激な言い方をすれば、ほとんどの人々は、科学者同士が必死になって研究し、互いに批判し、真実に近付こうと努力を続けて分かってきたことよりも、自分の経験に基づいた考えが正しいと信じ込んでいるのでしょう。

 ほとんどの精神疾患では、どの文献をあたってみても、薬物投与が一番重要だと書かれています。
 国民健康保険に加入していれば、覚せい剤を購入するよりも、医師に処方された薬を服用するほうが、はるかに安上がりです。また、長期に渡る治療が必要な場合、自立支援医療の助けを借りることで、自己負担率を低く(自治体によっては無料に)抑えることが可能です。

 どう考えたって、イライラへの対処法としては、覚せい剤はコストもリスクも高すぎます。

 なお、病気が発見された場合、刑務所でも投薬は行われるそうです。その点は安心できます。

 今後、Nさんは、どういう方法が自分や家族にとって妥当なのか、うまく判断することができるのでしょうか。本件を機会に、困った時にどうやって行動するのか、見直す必要があります。重要な場面では、先のことを考えて、その方法が支払う対価に見合う幸せをもたらすのかどうか、よく検討して下さい。
 もちろん、年中そんなことばかり考えなくてもいいです。疲れますから。重要な場面では慎重に行動して下さい。

 3はなかなか難しいです。「仕事や子育てに不向きで大変な努力を必要とする人」という言い方はできると思います。裁判を見ていると、彼女ぐらいの年齢の被告人で、お子さんをお持ちの方で、特に薬物関係の事件では多いと思います。深刻な問題だと思うんですが、原因はよく分からないです。
 こうなると、1と2への対処法として挙げた、「支払う対価に見合う幸せをもたらすのかどうか、よく検討」することは、難しいのかもしれません。
 今後、勉強はしてみますが、必ずしも共通の原因があるとは限りませんので、当ブログ上でお伝えできるかどうか保証はできません。


 私から言えることは、イライラにしても、自己嫌悪にしても、そういうことは考えすぎないほうがいいと思います。全て自分の脳内の問題ですから、自分でコントロールできなければ、解決の方法はありません。考えてもムダです。
 どうにもならない時は、家中のゴミを自治体指定のゴミ袋に入れるとか、晩ご飯のおかずを考えるとか、甘いお菓子を食べてみる(糖分は脳の栄養じゃなかったかな?)とか、家族が呆れるぐらいに眠り続ける(寝てる間は悩まないので)とか、身体を動かしてみるとか、全然関係ないことに目を向けるほうがいいと思います。脳の違う部分を使うような感じで。ただし、酒でまぎらわすのはダメです。
 あと、規則正しい生活をして、栄養バランスの良い食事をとるのも大事です。脳も身体の一部ですから大切にしてあげて下さい。


 最後に一つだけ。Nさんは、計画的に役割分担して、常習的に窃盗を行いました。さらに、イライラや自己嫌悪から、仲間と覚せい剤を使用しました。裁判官1人の小法廷としては、比較的ひどい犯罪と言えるでしょう。
 しかし、そんなひどい犯罪に及んだNさんは、生活能力が低く、日々イライラと自己嫌悪にさいなまれながら、幼い子どもたちと暮らしている、弱い存在でした。
 こういう被告人は多くて、反省を促すだけでは立ち直れそうもなく、生活や仕事の能力を改善する必要があります。かなり大変です。
 最終的には、こんな弱くて困った人でも、出所後には我々社会が受け入れなければなりません。しかし、近所にこういう人がいたら、ついつい眉をひそめてしまいます。関わりたくないというのが本音です。
 Nさんが信頼を得る努力をすれば良いのですが、彼女がそれだけの力を発揮できるかどうか、今の時点では分かりません。双方の歩み寄りを期待するには時間が必要だと思いました。


◎今回分かったこと
・窃盗で多額の被害を受けても、弁償してもらえないかもしれません。
・盗みをする前に、被害者を自分に置き換えて、想像してみましょう。
・イライラや自己嫌悪が続いたら、覚せい剤よりも、医療のほうが安くて効果的です。
・「子どもにも辛い思いをさせたくない」のであれば、その具体的な方法を示しましょう。
・「端的に言うと、あなたに母親としての自覚が足りないんじゃないですか?」

参考文献:
「心の病気がわかる本」(小俣和一朗 監修、池田書店 発行)
「刑務所の風景 社会を見つめる刑務所モノグラフ」(浜井浩一 著、日本評論社 発行)
posted by 絶坊主 at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 盗んだ事件(裁判傍聴記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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